23日午前4時前、東京・築地市場にある水産加工品のせり場で火事があった。この日は市場が休みだったため、現場に人はいないはず。警視庁と東京消防庁が、火事の原因を調べている。

 現場は立体駐車場の1階部分。木材などが燃えたという。豊洲に移転するしないでもめているだけに、ネット上では「放火か!?」と疑う意見も出ている。しかし、関係者が真っ先に疑うのは漏電だという。

 築地に出入りする業者は「築地ではボヤ騒ぎがよくあるんです。ほとんど原因は漏電でした」と話した。このように老朽化が激しいからこそ移転計画が持ち上がったわけだが、それも暗礁に乗り上げている。築地市場をしばらく使い続けるなら対策が必要になる。

 仲卸業関係者は「いずれ移転するにしろ、築地の耐震工事は早くやってもらいたい。首都直下型地震がいつあってもおかしくないといわれています。現状の築地では持ちません。雨漏りするくらいなんですよ」と要求している。

 2011年の東日本大震災のときですら、「潰れるんじゃないかと思った」(市場関係者)というだけに、直撃ならたまったものではない。

 別の仲卸業関係者は「市場内の道の整備をしてもらいたいですね。ボコボコしているんです」と古いのは建物だけではないと指摘。また、「自分が築地で働き始めて約20年ですが、ほとんど変わってない。それだけ築地市場にはお金が使われてこなかったということなんです。農家にはいっぱいお金が使われていると思いますが…」と訴える。

 卸業関係者も「中央卸売市場は国民から疎んじられているんじゃないか」と築地がボロボロのままであることを嘆いた。移転は早くても1年後なので、まだまだ築地市場を使うことになる。危険は取り除いてもらいたいものだ。