安倍晋三首相(62)は、20日(日本時間21日)に閉幕したペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、来月15日に来日するロシアのプーチン大統領(64)と15回目の首脳会談を行った。

 プーチン大統領といえば、ロシアの秘密警察として知られるKGB(旧ソ連国家保安委員会)出身のこわもてとして知られ、オバマ米大統領(55)がその存在感に圧倒されるなど各国の首脳から恐れられている。

 しかし、なぜか安倍首相とはウマが合う。プーチン大統領は、冬になると“シンゾウへ”と書かれたクリスマスカードを首相官邸に送るなど親密な関係を続けている。政府関係者は「安倍首相はスピーチで、プーチン大統領を『ウラジーミル』とファーストネームで呼ぶ。プーチン大統領には、日本の伝統的な温泉宿でおもてなしの歓迎を行う予定です。平和条約締結交渉の進展が見られる可能性もある」と話す。

 今年の安倍首相は外交面の成果が乏しく、プーチン大統領との日ロ首脳会談を足がかりに“外交勲章”を是が非でも勝ち得たいという。

「首脳会談の翌16日も東京でプーチン大統領と経済関係について会談することが決まった。主要7か国首脳会議(G7)は、ウクライナに侵攻したロシアに経済制裁を行っている。安倍首相の狙いは、米国との関係を修復させてロシアを次のG8首脳会議で復帰させることです。プーチン大統領も安倍首相の政治手腕を見込んで東京に立ち寄ることを決めた」(同関係者)

 来年1月に米国の新大統領に就任するドナルド・トランプ氏(70)は、プーチン大統領との電話会談で、米ロ関係の修復に前向きな姿勢を示した。プーチン大統領も「次期米大統領はロシアと米国の関係正常化を望んでいると確認した」と同調している。

 安倍首相はプーチン大統領との首脳会談で、ロシアをG8首脳会議に復帰させる約束を行い、トランプ新大統領のもとで、米ロ関係の修復に一役買う意気込み。かつて「ノーベル平和賞を狙っている」ともささやかれた安倍外交。果たして成果は得られるか。