インドでは街角の大麻ジュース100円

2016年11月19日 09時00分

インドの大麻ラッシー屋。マグカップに入った怪しい物体が大麻ペースト

【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】高樹沙耶被告(53)のように、旅行や出張先の海外で大麻を体験し、ハマってしまう人がいまだにいる。

 

 欧米諸国では大麻の非犯罪化が進み、罪の意識なく酒やたばこと同じように楽しむ人もいるので、感覚がマヒしやすい。アジアではどの国でも違法だが、広く蔓延していて手を出す旅行者も。「アジアマリファナ旅行」(彩図社)の著者で、アジアの大麻事情に詳しい谷口狂至氏が明かす。

 

「ラオスやカンボジアでは、昔は市場の乾物コーナーで売られていた。またゲストハウスのロビーでは、ザルに大麻が山盛りで置かれ、宿泊客は誰でも自由に吸えた時代も。大麻は伝統的な医薬品であり嗜好品だったが、今はそんな大っぴらな時代じゃなくなった。ただ、表向き消えただけで裏では以前と同じように流通しているよ」

 

 ラオス中部のバンビエンは、ナムソン川沿いの風光明媚な街で、トレッキングやカヤックなどのエコツアーで人気だが、各種ドラッグが裏名物だという。もともとイスラエル人バックパッカーが持ち込み、移住してきた白人旅行者が広めたとか。「以前は日本人の大麻愛好家がここでレストランをやっていた。店で出していたのは大麻入りのクッキーやケーキ、ジュースなど」と谷口氏。

 

 ちなみにバンビエンで今はやっているドラッグが「バルーン」。風船の中に充てんされた笑気ガス(亜酸化窒素)を吸引するもので、これは英国から持ち込まれたといわれる。日本では医療目的以外での所持・販売が禁止されている。

 

 インドにも大麻目当ての外国人旅行者が多い。宗教儀式で大麻が使われたり、一部の街では大麻が合法。公営の大麻ショップまであるが、外国人の利用は違法とされる。

 

「ヒンズー教の聖地バラナシでは、街角のジューススタンドで大麻のペーストを配合してもらえる。チャイの店でも大麻入りの菓子が売られている。ヒンズー教の大きなお祭りともなれば、良家のお嬢さんでも『今日は少し楽しもうかしら』と大麻ジュースをたしなむほどのお国柄。ゲストハウスやホームステイ先で出されることもあり、ついつい手を出してしまう日本人は多い」(谷口氏)

 

 インドといえば、チャイと並びラッシーも有名。くだんの大麻入りジュースは「バングラッシー」といい、大麻ペーストを客のお好みで混ぜられる。値段は効きの強さによって違うが、たった100円前後だという。

 

 またインド北部のマナリや南部のゴアは、トランスなどのパーティーの聖地だ。高樹被告のような自称ナチュラリストや、ミュージシャン崩れのような日本人も訪れる。もちろん、かなりの部分が“トリップ”目的。こうした場所で大麻にハマり、人生を大きく誤ってしまわないように。

 

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。2年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。