覚醒剤とコカインの混合粉末約0・8グラム(末端価格約5万円)を財布に隠し持っていたとして、神奈川県警茅ケ崎署は15日、覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(同)の疑いで、同県寒川町、通信制高校3年男子生徒(17)を逮捕した。

 逮捕容疑は10月18日深夜、寒川町の歩道で覚醒剤とコカインの混合粉末を所持した疑い。茅ケ崎署によると、容疑を認め「公園で拾った。コカインと分かったが、かっこいいと思って持っていた」と供述している。尿検査は陰性だった。

 同署員が深夜に1人で公園にいた男子生徒に職務質問し、粉末入りの袋が見つかった。

 コカインは主に南米で製造され、多くが南米や米国で消費される。これまで日本ではあまり流通しておらず、値段が高いため余計に広まらなかった。

 麻薬事情通は「コカインは原料の植物・コカが大量にあるし原価が安いため、米大陸では安く流通している。中南米では1グラム数百円から1000円ちょっと。一方、日本にまではなかなか回ってこないため、1グラム6万円となる。それにコカインは日本人の体質に合わないので、流通しづらかった」と指摘する。

 だからこそ、高校生が「拾った」だけなのか、疑問という。

「白い粉末は、拾っただけではコカインと分からない。何らかの理由でコカインだと知っていた疑いがある。高いため高校生が購入するかは疑問。そうなると、一時預かりや仲介しているケースが想定される。その場合、売人から『もし警察に見つかっても、拾ったとだけ言え』と言い含められる」(同)

 警察の事情聴取は念入りだ。買ったものでも預かったとしても、入手方法を執拗に聞かれ、矛盾が出てきて追及されるなかで、売人との接触方法や容姿が発覚し、売人は逮捕される。しかし「拾った」という言葉をインプットされると、一貫して「拾った」と言い続けられるのだという。本当に拾っただけかもしれないが、売人隠しの可能性がある。