おいを利用しウソの難病でっち上げ募金求めた伯母「生活苦しかった」

2016年11月12日 08時00分

 心臓病を患う小学1年のおい(6)が、海外で心臓移植手術を受けるためとして1億5000万円の募金協力を求める記者会見を8日、厚労省で開いた都内在住の伯母(36)の会見内容が全くのデタラメだったことが発覚した。本紙の取材に伯母が心境を語った。

 

 伯母は、おい本人とその両親に無断で10月末にウェブサイト「○○くんを救う会」(○○は実名)を立ち上げ、銀行口座を明記して寄付を呼びかけていたが、すべて作り話で男児は元気に学校に通っている。

 

 伯母は動機を「(自分の)両親が定年退職し、父は再就職で給料がぐっと下がった。私は5月にADHD(注意欠陥・多動性障害)で退職したが家のローンが1400万円も残っていて生活が苦しかった。父が包丁を持ち出して『一家心中しよう』と言うこともありました」と語った。

 

 複数の金融機関から借金もしたが、立ち行かなくなり、詐欺を思いついた。「かわいい○○なら寄付が集まるのではという安易な気持ちでした」。よく泊まりに来て、目に入れても痛くないおいだったという。

 

 伯母は募金サイトを立ち上げてから1週間後の8日、記者会見を開いた。

 

「(支援者から)『会見を開かない限りは信ぴょう性がないから応援できない』と、たきつけられて引っ込みがつかなくなった。会見を開くまでは口座に1銭も入っていなかった」というが、会見後には24人から合計19万円の寄付があった。

 

「会見も逃げ出したかった。緊張でよく覚えていないですが“みんな疑っているんじゃないか”と心臓がバクバクでした。その日の夜、会見を報じたネットニュースを見た時に“大変なことになった”と思いました。翌朝、弟嫁の母親から『新聞に○○が出ているのはどういうことだ』と電話がありました」

 

 本人と両親に対しては「(おいには)元気に楽しく生きていってほしい。たぶんもう会わせてくれないでしょうし、謝る機会ができるまでの道のりは長いと思う」と伯母。

 

 ウェブサイトを通じて交流があった移植手術を待つ児童の父親からも「許せません」とメールが来たという。