トランプ勝利で日本経済の行方は

2016年11月10日 12時00分

ニューヨーク市場は株価上昇(ロイター)

 大方の予想を覆すトランプ氏の勝利に市場は大揺れだ。トランプ氏優勢が伝わるや東京外国為替市場の円相場は1ドル=105円半ばだったのが一時、101円台前半まで急騰すれば、日経平均株価も一時下げ幅は1000円を超える暴落となった。日経平均が1000円以上も下落したのは、英国でEU離脱の国民投票があった6月以来。トランプ氏の政策次第では今後、さらなる円高株安に陥る懸念がある。

 

 株式評論家の山本伸氏は「トランプ氏は“地獄の円安”が米経済に大打撃を与えているといっていただけに今度は日本が“地獄の円高”に見舞われる可能性はあるでしょう」と指摘する。

 

 トランプ氏が主張する経済政策はオバマ大統領や歴代政権とは真逆だ。クリントン政権で批准されたNAFTA(北米自由貿易協定)は米、カナダ、メキシコ間で関税を撤廃し、米の経済成長を促してきたが、トランプ氏は否定。また日本の国会で審議中のTPP(環太平洋連携協定)はオバマ大統領が主導してきたが、トランプ氏はこれまた反対の立場で離脱が濃厚だ。

 

「トランプ氏は自由貿易を相当規制しようとしている。賃金が上がりすぎて、国内でモノを作っても儲けられなくなったので元に戻しましょうというのが持論」(山本氏)

 

 トランプ氏は法人税の最高税率を35%から15%への引き下げ、所得税引き下げを明言。とはいえ、減税や自由貿易規制したからといって事態が好転する保証はない。

「米は日本と同じようにマイナス成長やデフレに陥る危険が高い。日本も米との貿易が活発化しなければ、さらにデフレが進む。日本に限らず、先進国は軒並み低成長・デフレ化になりかねない」(山本氏)

 

 唯一、歯止めで期待されるのは議会だ。

 

「トランプ氏も現実は分かっていて、選挙用にメリットになることしか言っていない。財政赤字になるとなれば、議会の承認を得るのも難しい。ただTPPをはじめ、大統領権限で進められることは進めるでしょう」(山本氏)

 

 一夜明けた10日は大幅反発で早々と1万7000円台に戻した。株価も当面、揺れそうだ。