トランプ氏「暗殺未遂」騒動の真相

2016年11月08日 11時00分

舞台裏に避難するトランプ氏(中=ロイター)

 米大統領選で5日夜、西部ネバダ州リノで開かれた集会で共和党のドナルド・トランプ候補(70)が演説中、複数の警備担当者に守られながら舞台裏に一時避難する騒ぎがあった。米メディアによると、聴衆の中から誰かが「銃だ」と声を上げたためだという。

 男が取り押さえられて会場の外に連行されたが、警備当局は「武器は見つからなかった」と発表した。トランプ氏は数分後に舞台に戻って演説を再開。「われわれを止めることはできない」と発言し、警備担当者らの働きをたたえた。

 しかし、この騒動、暗殺未遂ではなかったようだ。英紙「ガーディアン」によると、取り押さえられた男はリノ在住のオースチン・クライツ氏(33)。同紙が集会所の外でぐったりしているクライツ氏に直撃した。

 同氏は在籍6年になる共和党員だが、トランプ氏のメキシコ人、ムスリム、女性に対する差別発言に不信感を持ったという。

「『反トランプの共和党員』というプラカードを掲げて、ステージに向かおうとしたところ、熱狂的な支持者がボクのプラカードを奪い取ろうとして、ボクを倒して地面に押さえ込んだ。トランプがボクを指さしたように見えた。そうしたら、周囲が殴る蹴るの暴行。さらにボクはヘッドロックされ、キンタマをつかまれたんです」と同紙に語る。

 プラカードを死守するクライツ氏と奪い取ろうとする人々。そのやりとりが見えない人が「銃だ」と叫んだため、警備担当者がトランプ氏を避難させた。だが同氏は銃を持っておらず逮捕されなかった。

 トランプ氏の集会では、これまで同氏の過激な言動を批判する市民が抗議の声を上げるなどたびたび騒ぎが起きている。