スマートフォン向けの人気ゲーム「ポケモンGO」を運転中に操作しての事故が後を絶たない。岡山市では4日、観光バスの運転手がゲームに興じている映像がネット上に投稿され、問題となった。死亡事故が起きた愛知県一宮市や愛知県警はゲーム運営会社に運転中の操作が一切できなくなるように要望する事態にまで発展している。

 先月26日、一宮市の小学4年則竹敬太君(9)がポケモンGOを操作中の男のトラックにはねられ、死亡する痛ましい事故が起きた。愛知県警は4日、ゲーム運営会社の米ナイアンティック社と同社日本支社に対し、運転中のゲーム操作や起動をできなくする規制を設けるほか、アイテムを入手できる「ポケストップ」やポケモン同士を戦わせる「ジム」を道路上に設定するのをやめ、ポケモンが出現しないようにする要望書を送付した。文書により規制を要請した都道府県警は初めてという。

 また一宮市も4日、道路上では運転手かどうかにかかわらず、移動速度に制限を設け、操作できないように要請すると発表した。

 現行では移動速度が一定を超えた場合、運転者かどうかを確認する警告が出される。IT関係者は「車や電車に乗りながらでもポケストップでのアイテム入手などはできる。ただ移動距離をカウントして、卵をふ化する機能はペナルティーで一定時間、カウントされなくなる」と話す。

 システムは改善できるのか?

「現行でもペナルティーをかけられるので一切、操作をできなくすることは可能でしょう。ただ運転していないのに運転中と誤認識してしまう場合もあり、厳しい規制はユーザー離れにつながる」(同)

 9月には東京・台場で立ち入り禁止区域にレアポケモンが登場し、ユーザーが道路上にあふれ返った騒動で、警視庁がナイアンティック社に改善を求めたが、ソデにされたまま。同社は愛知県警の規制要請に対し「事故を受けてのさまざまなご意見、ご要望を真摯に受け止めている。安全性への配慮、注意喚起に努める」とコメントを出したが、果たして改善に踏み切るのだろうか。