カフェや空港、交通機関の駅などには不特定多数の人が無料で使える公衆無線LAN「フリーWi―Fi」のスポットが増えているが思わぬ落とし穴があるという。

 スマホやタブレット、パソコン使用の際、このフリーWi―Fiを使用すれば、大量のデータを速く安くやりとりできる。だが、セキュリティーソフト「ノートン」を開発・販売するシマンテック社は消費者調査結果を発表し、フリーWi―Fiの危険性を指摘した。

 約1000人に行った調査によると、75%の人がフリーWi―Fiに接続し、うち60%の人が何らかの個人情報をやり取りしているという。

 だが、フリーWi―Fiスポットは不特定多数の人の利便性を重視して、パスワードの入力が必要な暗号化をしていないものが多く、通信内容が悪意のある第三者に見られてしまう可能性がある。犯罪者がフリーWi―Fiを偽装設置する悪意のアクセスポイントもあり、情報の不正入手によってなりすましが行われる可能性もあるという。

 シマンテック社のサイバーセキュリティ戦略マネジャーのニック・サヴィデス氏は「ハッカーが偽装設置したフリーWi―Fiのアクセスポイントを作れば、アクセスした人のメールを盗み読んだり、メールのテキスト内容を改ざんするのは簡単です。たとえば、ネット上で浮輪を買おうとしていると分かれば『浮輪特別50%オフです』というメールを送り、ニセのサイトに誘導し、ユーザーの情報を吸い取るのです」と言う。

 ネットバンクやクレジットカードなどの個人情報が盗まれ、違法な闇サイトで売買されたり、その情報を使用して銀行口座から現金を引き出されたりする。

 訪日外国人観光客のためにフリーWi―Fiのエリアは拡大しているが、安全に使うためには、第三者に知られて困る情報はやりとりしないこと、不明なアクセスポイントにはアクセスしないこと、アクセスしたらブラウザ上でアクセス先のサイトが暗号化されている(SSL通信)かを確認することが必要だ。自動的にデータを暗号化する「ノートンWiFiプライバシー」などのアプリを使うようにしたい。