タイ国王崩御で「軍VS警察」どうなる?

2016年10月22日 09時00分

 プミポン国王(享年88)が13日に崩御し、タイ国内では平穏さの中に不安が広がっている。国王崩御を受けて会見したプラユット首相(62)は、国王が1972年の段階で、王位継承権を持つワチラロンコン皇太子(64)とシリントン王女(61)のうち後継者を皇太子に決めていたと語り、憲法にのっとり手続きを進めるとした。

「不敬罪があるためタイ国内で表立っては議論されないが、皇太子は3度に及ぶ離婚歴のほか愛人問題などもあり、その資質が疑問視されている。逆に王女は清廉な人柄で知られ、貧しい農村部や少数民族を支援する活動を続け、国民の支持は高い」とタイ事情通。

 支持基盤も異なり、皇太子は警察出身のタクシン元首相(67)と親しく、王女は反タクシンの軍部が推していたとされる。

 タイではここ10年以上、タクシン派(警察)と反タクシン派(主に陸軍)が対立してきた。今の軍事政権は、タクシン氏の妹インラック前首相(49)の政権をクーデターで倒し成立。軍はその後、タクシン派の勢力をそぐためあらゆる手段を講じている。

 皇太子の王位継承が確実視されると、軍は方針を転換。皇太子を追い落とすのではなく、その周りからタクシン氏の影響力を排除しようと動きだしたといわれる。

 一方、タクシン氏は元警察官僚ということで、一部警察勢力がバックにつき、軍と対立を深めてきた。こうした軍と警察の争いは、自分たちにより優位な王政とするための政争でもあるのだ。

 そんな中、「もともとタイでは8~9月にかけ『11月に何かが起こる』という噂が流れていた」と明かすのは、バンコクの日本人向けクラブ経営者。噂が蔓延し、国王の容体が不安定になったさなかのさる11日、軍は「バンコクでテロ攻撃が計画されている」と突然発表した。今月25~30日が危険だという。国民が連想したのはやはり権力争いで、この発表はタクシン派に対するけん制と考えられている。そんな不穏情報が飛び交う矢先の国王崩御だった。

 警察VS軍のバトルは国を割っての大騒動となるのか、あるいはソフトランディングするのか…。

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