韓国紙・東亜日報(17日付)は、8月に韓国への亡命が発表された北朝鮮のテ・ヨンホ前駐英公使が「北朝鮮は、来年末までに2回の核実験を準備中だ」と韓国情報当局に明らかにしたと報じた。

 テ氏は故金日成国家主席に近い抗日パルチザン出身の父を持つ北朝鮮“特権階級”の一員で「正恩氏の体制に嫌気が差した」という理由で韓国に亡命した。

 北朝鮮は先月9日に5回目の核実験を実施。同当局によれば、テ氏は「北朝鮮外務省が在外公館に対し、『南朝鮮(韓国)の大統領選が行われる来年末までに6回目、7回目の核実験を順次実施するので、準備せよ!』という指針を出した」と語ったという。

 金正恩朝鮮労働党委員長は北朝鮮“ナンバー2”として権勢を振るった張成沢(チャン・ソンテク)氏を始め、朝鮮労働党や朝鮮人民軍の幹部たちを次々に処刑して独裁体制を強化している。

 さらに自身の偶像化に拍車を掛ける狙いで、来年1月8日の誕生日(1984年生まれ説)を祝日にすることを朝鮮中央通信で発表した。

 平壌情勢に詳しい関係者は「正恩氏の“偶像化”政策は、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏の関与が強く疑われています。亡命した朝鮮労働党幹部は、未熟な兄妹の下では国に未来はないとあきらめたのです。来年の韓国大統領選挙までに亡命者は増え続けると予測されています」と話した。

 テ氏が来年の核実験プランを暴露したほかにも、脱北者たちが最高指導者に関する情報を明かしているようだ。

「正恩氏は弾道ミサイル発射や核実験の視察に向かうとき、ベンツを使用する。移動中、便意を催した場合は、警備上の理由で車から降りてトイレに行けない。そこで正恩氏は車内に“おまる”を持ち込み使っているんです」(同)

 正恩氏は亡命した側近たちの反乱で、精神的に大きなダメージを受けている可能性が高い。