何が落ちてくるかわからない?六本木の鉄パイプ直撃死の警鐘

2016年10月15日 16時00分

 14日午前10時ごろ、東京・六本木で、改修工事中のマンションの10階部分から足場の鉄パイプ(全長1・8メートル、直径3センチ)が落下し、歩道を通行中だった新宿区の無職飯村一彦さん(77)の頭部を貫通。飯村さんは搬送先の病院で死亡した。

 

 工事現場では、資材などが路上に落下するのを防ぐ防護パネルやネットが設置されていたが、飯村さんが倒れていた場所の上にはなかった。

 

 警視庁麻布署は、安全対策や解体手順が適切だったのか、業務上過失致死容疑で調べている。工事現場の横を通る機会は日常、誰にでもあることだが、まさか“死と隣り合わせ”とは恐ろしい。

 

 最近では、東京メトロで案内看板の落下が相次いだこともニュースになった。防災アナリストの金子富夫氏は「東京大停電をもたらしたケーブル火災もそうですが、高度成長期に造られたインフラの老朽化で今後、超高層ビルやトンネルの崩落などによる落下物の事故は増えるだろう」と予測する。

 

 鉄パイプの落下は明らかな人的ミスだが、保守点検の見過ごしが多発している。「多くの建造物で、同じ担当者によるマニュアル化、ルーティン化された目視やチェックハンマーでの点検しか行われていないのが現状」(同)

 

 さらに日本は地震や台風など天災に見舞われやすい。「激震や突風など何かの拍子に倒れたり落下すれば死亡事故につながる。地震大国の日本で外看板を設置するなど都市工学上、本来間違っているのです」(同)

 

 ただ、危険だからと外出しないわけにもいかない。「工事現場では建物の軒下に入るか、たとえ遠回りでも道路の反対側に渡る。飛び降り自殺の巻き添えで亡くなる人もいるが、何が降ってくるか分からないという危機意識をもって、なるべく屋根のある場所を探すことも大事」と金子氏はアドバイスした。