世界遺産登録間近 長崎・野崎島で謎のマリア像発見

2016年10月10日 16時00分

 長崎県の軍艦島(端島)など、ユネスコの世界文化遺産登録は、観光客誘致の鍵となっている。世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が先月、これまで14あった構成資産から禁教期と関連の薄い2つの資産を外して、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県の12資産)と名称変更し、2018年登録が現実味を帯びてきた。

 

 この「長崎と天草地方――」の中でも観光客や離島マニアなどに人気のあるのが、構成資産の一つである野崎島(小値賀町野崎郷)の集落跡だ。佐世保市から航路で90キロの西海上、五島列島の北部に浮かぶこの島の西部にある野首集落には、旧・野首教会があり、キリスト教徒の墓なども残されている。

 

 その野崎島で、衝撃的な事実が明らかになった。

 

 同島には、野首集落、舟森集落、野崎集落という3つの集落が存在していたが、キリスト教徒が住んでいなかった野崎集落のある家で聖マリア像が“発見”されたのだ。もともとキリスト教徒が住んでいたのは、野首と舟森集落だけで、野崎集落には、仏教徒だけが住んでいた。野首集落で暮らしていた長老に話を聞いた。

 

「野崎(集落)には、仏教徒しか住んでいなかったとですよ。我々は隠れキリシタンの末裔ですけど、身分を隠しおったとですかね? みんな島民は仲良く行き来をしておったとですし、食料の物々交換などもやっとったとですよ。顔もよく知っておる。これはもしかすると、嫁に来た人が隠れキリシタンの末裔で、(野崎)集落の誰にも知られないように信仰しておったのかもしれん。本当に驚いたとですよ」

 

 現在、野崎集落に残されているこの家は、廃虚となっている。家の約半分はすでに倒壊し、聖マリア像のあった部屋と仏壇のあった部屋だけがかろうじて残されている。野崎島最大のミステリーともいえる。