「盛り土問題」小池都知事 内部告発システムは機能するか

2016年10月01日 15時00分

 小池百合子東京都知事(64)が9月30日、定例会見で豊洲新市場の“盛り土問題”で「盛り土がされない方向性は段階的に決まったもので“誰がいつ決めた”とピンポイントで指し示すのは難しい」と話した。責任者を特定できなかったとする都の内部調査結果を公表した。

 

 都が30人の幹部職員やOBにヒアリングした自己検証結果だが、前市場長の塚本直之氏が「建物下に盛り土がないことは認識していた」と明かした以外に、具体的な証言は出てこなかった。

 

 都の自己検証報告会見に出席した塚本氏の前任者である中西充副知事は「当時、新市場整備部長は『モニタリング空間を地下に造ります』と私に説明したのだと思うが、私はそれを盛り土の上にあると思っていた」と釈明。

 

 後任で現職の岸本良一市場長も「地下ピットを視察したが、盛り土の上に建設されていると理解していた。途中で上がり下がりある中で外の地盤面と、自分が立っている地下ピットの地盤面(の高低差)を十分に理解していなかった。うかつな話で申し訳ない」と謝罪した。

 

 結局、責任の所在はあいまいなまま。都は、地下にモニタリング空間を設置する方針が決まった会議の議事録も残っていないと説明。「ヒアリング調査に関しては個人情報の観点から非公開」と言いだす始末で、いまだブラックボックスだと批判されても仕方がない。

 

 これには小池知事も「これは組織運営のシステムの問題。だから都政大改革なのです」と追及の姿勢を崩さない。「公益通報制度のシステムを立ち上げます。匿名でも実名でもいい。弁護士事務所など通報の受け皿を準備している段階であります」と息巻いた。

 

 都の調査で都の職員やOBを調べても、何も出て来るはずがない。都政関係者は「公務員システムは誰にも責任がないようになっている。現場を知らない上は『あの件は、きちんとやっといて』とはっきり表現せず、下は意をくんで実行するが責任を取る立場にない。責任の主体がなくなることで、お互い守り合って誰もミスをしないことで、無事に天下りするわけですから」と指摘する。

 

 内部告発システムで、責任の取り方を知らない公務員ムラに、どこまでメスを入れることができるか。