小泉元首相「1億円」金策に奔走

2016年09月09日 09時00分

「トモダチ作戦被害者支援基金」を熱く語った小泉元首相

 2011年の東日本大震災での原発事故後、原発ゼロを訴えていた小泉純一郎元首相(74)が、最近おとなしい。目下、熱を上げているのは「トモダチ作戦」で放射能被害を受けた米兵救済の寄付金集めという。

 7日に日本外国特派員協会で会見した小泉氏は、海外メディアを前に、自らが発起人を務める「トモダチ作戦被害者支援基金」を熱く語った。

 東日本大震災後、米原子力空母「ロナルド・レーガン」は東北沖に展開し、約1か月間にわたって捜索や救援物資の輸送などを行った。「トモダチ作戦」と称賛されたが、その後、体調不良を訴える乗組員が続出。当時、太平洋沖に向かって、風が吹いており、濃い放射能の塊である放射能プルームに遭遇し、被ばくしたとみられている。

 小泉氏は今年3月にこの話を聞くや、5月には渡米し、被害者と面談した。

「私が行った時はすでに7人の方が亡くなっていた。医者は放射能による健康被害と断定できないと言うが、頑健な兵士に被害が出て、素人の私でも放射能と常識で分かる。300人も病気で苦しんでいる兵士がいて、これはほうっておけない」(小泉氏)

 被害者らは東電などを相手取って訴訟を起こしているが、日本で大きく報道されていないことも小泉氏を発奮させた。

「想像ですが、いわゆる原子力ムラ・関係者の宣伝というか働きかけがマスコミ、政府にも大きく影響している。メディアで報道されない理由ではないか」(小泉氏)

 それでも7月に基金設立を発表すると建築家の安藤忠雄氏(74)が賛同し、1000万円の寄付を申し出たという。

「1人でそんなに出せるのかと聞いたら、1万円の会費で1000人相手に私の講演会を開くという。なるほどな、と。ただ、私の話にそんなに人が集まるかと心配したが、当日は1300人も集まった」(小泉氏)

 基金は来年3月までの期限で、目標は1億円。

「今、4000万円近く集まった。それでも足りないことは分かっているが、日本人が感謝している気持ちを表さないといけない」(小泉氏)

 しばらくは“金策”に走る日々となりそうだ。