なぜ被害届を受理してくれない…警察の「いじめ防止対策推進法」への認識

2016年08月31日 17時00分

 青森市立浪岡中2年の女子生徒(13)がいじめ被害を訴えて自殺した問題で、斎藤実校長は30日、保護者の了解を得た上で、ほかの学年も含めた生徒全員から、いじめの有無を聞き取る方針を明らかにした。

 女子生徒の父親(38)らは29日、学校を訪れ調査の実施を求めた。斎藤校長によると、女子生徒が書いた年2回のアンケートや、学校生活を記録したノートの内容の確認作業に着手したという。

 遺族への取材では、女子生徒は中1だった昨年6月、同級生からLINEで悪口を言われる嫌がらせを受け、遺族は学校に相談していた。

 斎藤校長は、今年6月にも同様の嫌がらせを把握したことを明らかにした。女子生徒と面談したほか、悪口を書き込んだ複数の生徒を口頭で指導し、その後は相談がなかったという。

 女子生徒は2学期の始業式翌日の今月25日、青森県藤崎町のJR北常盤駅で列車にはねられ、死亡した。県警は状況から自殺とみている。

 2013年に成立し施行された「いじめ防止対策推進法」第2条のいじめの定義には「当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」とある。

 そして、いじめがあったらすぐに学校が調査を行い、都道府県知事に報告する義務がある。また、いじめ防止対策推進法23条の6には「学校は、(中略)当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない」とある。

 学校が警察に介入を求めるべきで、警察はいじめ問題に介入すべきなのだ。

 東京都の私立高校に通っていた娘のいじめ問題で高校と係争中の父親は「被害届を出そうと警察に相談したら、『殴られたとかでないと分からない』と言った。2013年2月に警察庁通達があり、『即被害届を受理しろ』という内容だったのに、警察がそれを把握していないんです。学校の調査の対応を待っていたら子供たちは死ぬ。学校に相談してもラチがあかないときは即警察が動いてくれないと幼い命を亡くす」と指摘する。