NHK敗訴ラッシュ危機 ワンセグ受信料裁判で言い分認められず

2016年08月28日 06時30分

批判文書を手に笑顔の立花氏(右)と大橋氏

 天下のNHKが“敗訴ラッシュ”の危機に陥りそうだ。テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話では、NHKの受信契約を締結する義務はないとする画期的な判決が26日、さいたま地裁(大野和明裁判長)で初めて示された。同局に“勝訴”したのは、先月の東京都知事選に立候補して「NHKをぶっ壊す!」とほえまくって注目を集めた元千葉・船橋市議の立花孝志氏(49=NHKから国民を守る党代表)。同氏は“ワンセグ裁判”で完勝した余勢を駆って、さらに同局の悪質な実態を追及する。

 

 昨秋から計6回行われた一連の審理では、ワンセグ機能付きケータイを持っているだけでNHKの受信契約は必要かどうかが争われた。

 

 原告は埼玉・朝霞市議の大橋昌信氏(40=NHKから国民を守る党)で、ワンセグケータイであれば受信契約は「必要ナシ!」と主張。被告はNHKで「必要アリ!」と譲らなかった。

 

 大橋氏は弁護士をつけなかったものの、裏で後方支援したのが、NHKの不正を追及している元千葉・船橋市議の立花氏。対するNHKは弁護士3人の布陣で臨んだ。

 

 最大の争点が、放送法64条1項「受信設備を設置した者は、受信契約をしなければならない」の条文中にある「設置」をめぐる解釈だった。

 

 大橋氏側は、ワンセグケータイは「設置」するモノではなく「携帯」するモノであり、支払い義務はないなどと主張。NHK側は「設置」とは「受信設備を使用できる状態に置くこと」を意味し、広義の「設置」にあたるなどと反論した。

 

 大野裁判長は26日の判決で「設置」に関するNHKの主張を「相当の無理がある」と拡大解釈だとして「放送法が規定する受信設備の『設置』にはあたらない」と退けた。

 

“法の番人”が“ワンセグケータイであれば受信料は支払わなくていい”とした初めての司法判決。庶民感覚で見れば当然のジャッジといえる。

 

 だが、NHK広報局は、本紙取材に「ただちに控訴します」と回答。法廷バトルは東京高裁の第2ラウンドに突入するとみられる。

 

 一方、立花氏が政見放送でぶっ放した「NHKをぶっ壊す!」の9連発宣言は本気も本気だ。実は立花氏は、NHKからの被害に悩む一般人を原告に立てて自身は後方支援に回り、同局を相手取って係争している訴訟が2件あるという。

 

 立花氏によれば、2件のうち1件は“レオパレス裁判”。短期賃貸マンションなどを展開する大手不動産業「レオパレス21」(以下、レ社)を舞台にした訴訟だ。

 

 福岡市の一般男性が兵庫県のレ社の家具付きマンションを約1か月利用した際、その居室に設置されたテレビをめぐって、なんとNHKに受信契約を締結させられたというから驚く。立花氏に相談した男性はNHKを提訴。現在、東京地裁で審理されている。

 

 今回の“ワンセグ裁判”では「設置」者に対する支払い義務が改めて確認された。レ社の物件でテレビを設置したのは、もちろんレ社。「だから、男性に支払う義務はないと“ワンセグ裁判”で自信を深めています」と立花氏。今月30日に結審し、今秋にも判決の見込み。

 

 もう1件が、NHKの下請け業者男性による受信契約の“強要被害裁判”。東京・大田区の一般女性は自宅前で同男性に「帰ってほしければ受信料を支払って」などと強く迫られて契約してしまい、精神的苦痛を受けたため、立花氏に相談。女性はNHKと同男性を相手取って東京地裁で係争中で、被告側の主張が首尾一貫しておらず、女性側に有利に進んでいるという。

 

 来月7日に結審し、今秋に判決の見込み。

 

「NHKは“敗訴ラッシュ”が続き、その信用がガタ落ちする序章になると思います」と立花氏は豪語している。