金正恩氏の「金メダル5個以上」指令に疑問 獲得選手に豪華報酬出せるのか?

2016年08月12日 16時30分

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、リオ五輪に出場している選手団に5個以上の金メダル獲得を厳命したという。2012年のロンドン五輪で過去最高の4個を獲得した北朝鮮だが、11日時点の成績は、銀メダル2個、銅2個と念願の金メダルに手が届いていない。

 正恩氏といえば、元米国プロバスケットボール選手、デニス・ロッドマン氏(55)を平壌に招待したり、外貨不足でもスキー場や乗馬施設などを新たに整備したり、スポーツ好きとして知られている。

 昨年、リオ五輪に向けて“スポーツ強国”を宣言。自ら指揮を執り、全国から優秀な科学者を集めて「突撃隊」と称するスポーツ研究チームを結成し、重点種目を中心に選手の強化を進めた。

 平壌情勢に詳しい関係者は「リオ五輪は正恩氏が権力を掌握して初めての大会です。選手たちを鼓舞する目的で現地に側近の崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長を派遣。しかし、ロンドン五輪の重量挙げの男子56キロ級金メダル選手は今大会で銀メダル。北朝鮮の選手は国際大会の前に正恩氏に目標を表明するが、結果が出せなかった場合は帰国後に罰を受ける」と指摘した。

 正恩氏はリオ五輪で金メダルを獲得した選手に“英雄”の称号、平壌市内の高層マンションや高級車を与えると伝えられている。だが、日本の政府関係者は「五輪選手にプレゼントできる懐具合なのか?」と怪しんでいる。その理由は――。

「国際社会は北朝鮮の相次ぐ核実験や弾道ミサイル発射実験に対して制裁を強め、正恩氏はいつまでも虚勢を張る余裕はなくなっている。北朝鮮の食料と燃料の価格は正恩氏の下で安定を維持していますが、これは市民の自由市場の取り締まりを緩和した苦肉の策。実際は北朝鮮経済の台所は火の車で、金メダルを獲得した選手に高級なマンションや車を与えたと国営放送が伝えても本当かどうかは定かでない」

 北朝鮮選手の金メダル獲得が、別の意味で注目される。