東京五輪の「落雷対策」は大丈夫か

2016年08月07日 10時00分

 8月に入って、落雷が相次いでいる。2日に千葉県浦安市の東京ディズニーランドと東京ディズニーシー近くで落雷の影響とみられる停電が発生。4日には埼玉県川越市の県立川越南高のグラウンドで、野球の練習試合に来ていた県立和光高1年の男子生徒(16)が落雷に遭い、心肺停止状態で救急搬送された。

 

 気象庁の統計によると、一年で最も雷の発生件数が多いのは8月。また、日本海沿岸部を除く太平洋沿岸部や内陸部は、冬より夏の発生件数が多くなっている。

 

 こうなると気がかりなのが、4年後の東京五輪だ。開催期間は7月24日~8月9日の予定で、雷が多い時期と、もろにバッティングすることになる。実際、旧国立競技場で行われたスポーツの試合が、雷の影響を受けてしまった例はある。

 

 北京五輪直前の2008年7月29日には、本田圭佑や香川真司らも出場したU―23日本代表とU―23アルゼンチン代表の親善試合が雷雨により84分に中断。そのまま試合は打ち切りとなった。この時、雨はゲーム途中に降り始め一気に勢いを増した。

 

 旧国立競技場も当然、避雷設備は設置されていた。新国立競技場も同設備は設置されるが、いざ落ちてくる雷を目にすれば、選手や観客にとって不安を払拭することはできない。

 

「台風などはある程度事前予測がしやすいが、雷や局地的な大雨は直前まで対応しにくい。正直、野外の場合は、イベント開始後に落雷が発生して中止にしたとしても、十分な避難場所は確保しにくい」(イベント業界関係者)

 

 対応が難しいとはいえ、多くの人が集まる場で十分な安全対策をしないわけにはいかない。気象状況の予測強化やこまめな発信、屋外における避難地域の明示など、最低限やらなければいけないことは多い。

 

「他のハード面に膨大な予算がかかっている中で、落雷の対策に関してはまめに危険性を訴えていくしかないだろう」(都政関係者)

 

 多くの人が危険にさらされることを考えれば、「心配しすぎ」はないはずだ。