「高高度防衛ミサイル」配備決定で大揺れの韓国 危険な都市伝説「流布の裏」に北の影

2016年07月22日 10時00分

 インタファクス通信によると、ロシア外務省で朝鮮半島問題を担当するダブイドフ特使は19日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、関係各国に自制と地域の緊張激化につながるような行動を控えるよう求めた。

 特使は米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備決定で「情勢はより複雑化した」とも語り、問題は米国にあるとの認識を示した。

 実際に北朝鮮は、THAADの韓国配備決定を米韓が今月8日に発表したことに反発し、11日に朝鮮人民軍総参謀部砲兵局の名義で、配備先が確定され次第、制圧するための「物理的対応措置」を取るとの「重大警告」を出していた。

 19日の発射は、この警告に沿った行動とみられる。北朝鮮の北東部豊渓里の核実験場でも、観測機器設置とみられる作業など核実験へ向けた動きが本格化しており、北朝鮮は今後も弾道ミサイル発射や核実験などの挑発を繰り返す可能性がある。

 そのTHAAD導入だが、今年初頭の北朝鮮による核実験と長距離弾道ミサイル実験により、現実的脅威が近づいてきたから決定したと言われている。しかし、いまや韓国国内でも大揺れなのだという。韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「韓国はTHAAD配備を南東部の慶尚北道・星州(ソンジュ)郡に選びましたが、これに関して地元住民が事前説明がないと激しく反発。15日に同地を訪れた黄教安(ファン・ギョアン)首相に生卵をぶつけるなどのおなじみの抗議活動が起こっています。同地ではXバンドレーダーから発生する電磁波が人体に害を及ぼすなどという都市伝説もまことしやかに流れ、それが余計に住民を殺気立たせているようです」

 北朝鮮のせいでTHAADを配備しなければならなくなったが、実はその都市伝説を流布している存在にも北朝鮮の影がちらつく。

 但馬氏は「慰安婦問題で暗躍している挺対協がいい例ですが、韓国の左翼系市民団体の多くが北朝鮮と裏で連動しています。Xバンドレーダー電磁波危険説は、いかにも同レーダーを厄介視している北朝鮮、それに中国のご意向をくんだ者たちが流布した“風評”に思えてならないのです」と指摘した。