都知事選に自民・公明の推薦を受けて出馬した前岩手県知事で元総務相の増田寛也氏(64)が15日、小池百合子陣営の“お膝元”である池袋に殴り込みをかけた。

 東口五差路で意気揚々、待機児童、高齢者、防災問題の解決を公約に掲げた増田氏だが、知名度では小池氏や鳥越俊太郎氏らほかの有力候補者に及ばない。特に若者の街・池袋では無名に等しい。

 10日の参院選で初当選を果たしたばかりの“ド新人”「SPEED」今井絵理子氏(32)が応援に入ると、女子高生らが「キャ~~! 本物!」とミーハーな声援を送ったが、増田氏の“本人登場”にはさほど興味なさげ。身内の拍手がパラパラ…と乾いて聞こえた。

 街頭演説を終え、サンシャイン通りを練り歩き始めたのは午後5時すぎ。通りを行き交うのは学校帰りの高校生や呼び込みの若者ばかり。下町のように「頑張ってよ!」と気さくに候補者に声をかけるオバチャンの姿もない。

 だが、増田氏は“アウェー”を逆手にとり、今井氏目当ての女子高生らに次々と握手を求め、やや強引に記念撮影を開始。ついにはJKカフェの呼び込み店員にまで握手を求めた。握手された女子高生は「(握手した手の感触が)生温かいんだけど(笑い)! 16歳だって言ってるのに。それに私、都民じゃねーし」と困惑気味だった。

 増田氏が若い女性にばかり握手を求めたのには理由があるのか。事務所関係者は「18歳選挙権を特に意識したわけではないが、夕方の池袋ですから確かに若者ばかり。18歳未満も多かったが、参政権のない人を無視していいわけじゃない。目先の選挙だけじゃなくて未来の有権者に広く候補者を知ってもらうことも大事と考えております」との回答だった。