東京都知事選(31日投開票)に無所属で出馬したジャーナリストの上杉隆氏(48)は14日、東京・浜町の事務所で第一声を行い、イバラの選挙戦に突入した。

「都知事は月額145万6000円ももらっている。ボーナスもあり、1期4年で約1億円にもなる。1人の知事にそんなにいらない。もっと有効に使うことがあるだろう」と上杉氏が掲げた公約は、1期目の“給与全額返上”だ。

 身を切る改革はいいが、上杉氏自身の生活はどうするのか?

 これまでの貯蓄を切り崩し、政治とカネの疑念から完全決別を図りたいというが、“世界で一番貧しい大統領”と呼ばれるウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(81)もビックリの“清貧都知事”となりかねない。

 仕事をなげうって、選挙に出てくるからには、資金面に余裕があると思われがちだが、上杉氏は「お金はありません」と即答。他の陣営なら業者に任せるポスター張りもボランティアスタッフ頼みで、80歳になる上杉氏の母親までもが選管の証紙張りで一肌脱いでいる手作り選挙だ。さらには「戦車もつくっていません」と胸を張る。戦車とはウグイス嬢を乗せた選挙カーで、選挙戦の“主力部隊”だが、車両レンタル代や看板、ガソリン代などで数百万円は下らない。選挙カーを用意しないことでゼロに抑えるという。選挙カーなしの選挙には上杉氏の別のこだわりもあった。

「戦車はとにかくうるさい。だいたい95~110デシベルくらい。赤ちゃんの泣き声が75~85デシベルくらい。選挙の時、がなりたてるのは納得がいかない」

 街頭デビューとなった高田馬場駅前では、ビール箱の上から75デシベル以下を心掛けて、ささやくような声での訴えとなった。“都民にやさしい”選挙戦&都政再建に徹する構えだ。