英国のEU離脱で次なる焦点は北部スコットランドの独立問題だ。スコットランド行政府のスタージョン首相は24日、スコットランド独立の是非を問う住民投票を行う可能性について「極めて高い」と話した。

 独立志向の強いスコットランドでは一昨年、独立の是非を問う住民投票が行われ、反対派(約200万票)が独立派(約160万票)を上回り、独立論争は決着がついていた。

 ところが、英国のEU離脱で再び火がついた。スコットランドはEU支持派が多く、今回の投票でもEU残留派が6割以上を占めた。スタージョン氏は「人々は未来がEUとともにあるとの考えを示した」と話し、英国がEUから離脱するとなれば、スコットランドは今度こそ独立しEUに加盟しようというワケだ。

 スコットランド独立論争となれば再び矢面に立つのがネッシーだ。ネッシーはスコットランドのネス湖で目撃された伝説的UMAで、いまや英国の貴重な観光資源でもある。

 一昨年の投票では、スコットランドが独立した場合に英国が失う貴重な財産として、「北海油田」「核ミサイル搭載の原子力潜水艦が配備されているクライド海軍基地」に並んでネッシーもスポットライトが当たった。

 今後、スコットランドが独立し、EUに加盟すれば、英国とスコットランドは完全な“異国”となる。英国民がネス湖に行くのにもパスポートが必要となる。英国民はネッシーを失った時、EU離脱を選択したことの大きさに気づくかもしれない。