新型中型ミサイル「ムスダン」2発目成功 北朝鮮の次の標的は?

2016年06月24日 08時00分

 北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、中長距離戦略弾道ミサイルの発射実験に「成功」したと報じた。北朝鮮は22日に新型中型ミサイル「ムスダン」(射程2500~4000キロ)とみられるミサイルを発射。1発目は韓国軍などが失敗と推定し、今回報道された「成功」は2発目を指すと考えられる。今春から断続的に行われているミサイル発射は何を物語るのか。

 北朝鮮は、今年2月23日に発表した重大声明で1次標的に「韓国の大統領府と韓国基地」、2次標的に「太平洋上の米国基地と米国本土」と明示していた。

「コリア・レポート」の辺真一氏によると北朝鮮は「この計画を着実に進めている」。これまでのミサイル発射実験を追うと、3月に短距離ミサイルを発射し韓国本土を威嚇し、中旬にはさらに距離を伸ばすことに成功した。4~5月にかけてムスダンとみられる4発を発射したが、いずれも直後に爆発するなど失敗していた。

 今回の1発目は失敗とみられているが、2発目は大気圏外の高度1000キロ超に到達していたと日本政府側は分析し、一定の成功と受け止めている。では、なぜこのタイミングなのか。

 北朝鮮は核問題の6か国協議参加国の出席で22日に北京で始まった民間の国際学術会議に当局者を派遣しているが、辺氏は「中国の説得には応じないという意思表示」と北朝鮮の意図を解説。また、6月25日は朝鮮戦争開戦からちょうど66年になる。「ミサイル発射を成功させることで軍の士気を高めた意味もあるのでは」(辺氏)

 今回の一部発射成功により、ムスダンが射程米軍の要衝グアムまで届くメドが立った。朝鮮中央通信によると、ミサイル発射実験を視察した金正恩氏は「太平洋地域内の米国の連中を全面的かつ現実的に攻撃できる確実な能力を持つことになった」と述べた。

 次なるターゲットはいよいよ米国本土となる。「すでに長距離弾道ミサイル『KN―08』発射実験の準備を進めている。そこでXデーとなるのが、米韓合同軍事演習が行われる8月だ」と辺氏。

 KN―08の発射実験が成功した場合、北朝鮮が“実戦”に突入するシナリオとして次の3つが挙げられるという。

「現在、国連決議により外交や経済などの非軍事的な制裁がかけられているが、いよいよ海上封鎖などの軍事的な制裁がかけられた場合が1つ。2つ目は自衛権の行使として米国が先制攻撃した場合。3つ目に日本が米国の代わりにミサイルを迎撃した場合です」

 北朝鮮の軍事的脅威はどんどん高まっている。