金正恩「自爆テロ死亡説」の怪

2016年06月19日 10時00分

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が自爆テロで死亡したと上海に本社を置くネットメディア「イースト・アジア・トリビューン」(EAT)が報じ一時、外国為替市場が大混乱。韓国軍は「事実ではないと確認した」と発表する騒動となった。

 

 EATは16日、金委員長が平壌のポトンガン区内で開かれていた記念式に参加中、警護をかいくぐり近づいた女性の自爆テロに巻き込まれて死亡したと報じた。

 

「コリア・レポート」の辺真一編集長は「外国メディアが、金ファミリーの死亡をスクープすることは99%あり得ない」と断言する。

 

「金ファミリーのプライバシーは徹底して守られている。後継騒動が出始めるまで、金正日氏に子供が3人いることさえ知られていなかった。また日成・正日氏の死亡も外に漏れることはなく死亡から2~3日後に朝鮮中央通信のアナウンサーが喪服で報じている」と指摘する。

 

 さらに、北朝鮮で一般国民が金委員長を暗殺することはまず不可能という。

 

「金正日氏が酔っ払った警護員にピストルを向けられたことがあるように、北朝鮮で起こり得るとしたら警護員、軍や党の幹部など側近によるクーデターです」(同)

 

 だが、仮に北朝鮮の指導者が暗殺されても、北朝鮮メディアから正確な情報が出ることは期待できない。「2004年に金正日氏を乗せて中国から戻った列車が爆破された際、外国メディアはテロの可能性を報じたが、北朝鮮メディアは爆破事故を伝えたのみ。08年に正日氏が脳卒中で倒れ建国記念日にも姿を見せなかった時も病気を発表しなかった」(同)

 

 ではなぜ“死亡説”が出たのか。辺氏は「今回、ウォンが急落しましたが、実は防衛関連銘柄が急騰しているのです。北朝鮮でのクーデター説が出るたびにこうした現象が起きている」と指摘する。

 

 金ファミリーの“生死情報”で一獲千金を狙う勢力が情報操作したともいえそうだ。