【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】フィリピンは、国民の平均年齢がなんと23歳で、出生率も高い。国のそんな“ギンギンパワー”を下支えしているのが、身近にあるコンビニだ。

「サリサリストア」という伝統的な雑貨屋は、よろず屋をしのぐ勢いでいろいろある。地場系のほか、日系のミニストップやローソン、またセブン―イレブンは小さな街でも必ず見かける。

 ビールや清涼飲料水など、日本製の商品も充実。親日的なお国柄で、好景気のフィリピンに進出する日系企業や“安くて近い”英語留学をする日本の若者が増えている背景もあるのだろう。そんななか「首都マニラやセブ島に無数にある、日本人向けのカラオケやクラブでハメを外す前、駐在員たちはまずコンビニに寄る」とは某商社マン。

「手頃な精力剤が売っているんだ。日本のコンビニでも普通にあるコンドームのコーナーに並んでいる。何種類かあるけど、有名なのが『R・bust』。2カプセル入りで263ペソ(約632円)。効き目もバッチリ。セックスの2時間前に飲むと、ちょうどいい頃合いで下半身に反応が表れる」

 精力剤としてひそかに知られるイカリソウの他、高麗人参エキスやイチョウ、筋肉・精力増強効果があるLアルギニンなどが含まれ、天然素材で安心なのだそう。コスパがよく、処方箋ナシで手軽に買えることを地元男性に教えてもらい、日本人駐在員に広まったらしい。

 水に溶かして飲む粉末タイプもいろいろあり、コンビニでは駄菓子コーナーのようになっている。小分けされたもの1つで50ペソ(約120円)前後。滋養強壮剤のように普段使いする地元民もいるそうだ。

 さらに、なんとコンビニで“バイブ”まで売っている。英コンドームメーカー大手「durex」の「play vibrations」なる商品で、お値段350ペソ(約840円)。前出商社マンも愛用者の一人だ。

「ビニール製の輪ゴムのようになっていて、これをサオにハメて使う。ゴムには小型装置が付いてて、そのスイッチを入れると激しく振動するんだ。この状態で挿入してピストンすれば、男も女も快楽が増すというわけ。リチウム電池で動いて、約20分持つ。切れたらまた電池を交換すればいいしね」

 コンビニで買えるこの簡易バイブは、現地日本人社会の間で隠れたヒット商品になっているんだとか。少子化に悩む日本も、エロ系の規制ばかりしていないで見習うべきだ。

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。2年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。