手つかずの「インドネシア高速鉄道計画」囁かれ始めた中国との癒着疑惑

2016年02月09日 09時00分

 案の定か――。中国がインドネシア・ジャワ島で建設する予定の高速鉄道(2019年開業予定)の工事がいまだ手つかずだ。

 インドネシアメディアによれば、7日には野党議員から建設中止を求める声が出た。1月21日にはジョコ大統領も出席し、着工式典が行われたものの、中国側から提出された書類がすべて中国語だったり、提出されていない書類があったことなどから、担当者のゴーサインが出ない状況だという。

 首都ジャカルタとバンドンを結ぶ約140キロの鉄道計画には当初、日本も参戦。だが、日本円で約6400億円にも上るとされる事業費を中国が実質的に負担すると申し出たため、インドネシアは中国案を採用した。

 その中国案が、着工した直後からいきなり頓挫したことで、開業予定に間に合うのかという疑問も生じているようだ。

 現地メディア関係者は「さすがに、現時点で間に合う、間に合わないと騒ぐのは早すぎる。もともと日本と違って、国家規模の計画が遅れることは珍しくない」と前置きしたうえで、次のように指摘する。

「このまま建設が着工しないようなら、中国に対する不信感は徐々に募っていく。中国としては、鉄道建設を足がかりにさらなるインドネシア進出を図る狙いがあるが、問題が起こるたびに、その後のビジネスにも影響は出てくるだろう」

 今後、計画に大幅な狂いが生じれば、中国に対する見方が大きく変わる可能性はある。

「そもそも国内でも、今回の計画自体が果たしてどれほど必要なのかと言われていた。だからこそ、よりお金をかけなくて済む中国の案が選ばれた部分もある。それに加えてささやかれているのが、中国からインドネシアの上層部に個人的になんらかの働きかけがあったとする噂。中国としては、インドネシア進出のため予算は惜しまなかったはずだ」(前同)

 日本が逃した魚は果たしてどれほどの大きさになるのか。