今春スタート「外国人の家事代行」規制緩和の裏の注意点とは

2016年01月31日 09時00分

 大阪府が、4月から外国人による家事代行サービスを受け入れることを27日に正式に決めた。昨年7月に成立した改正国家戦略特区法を受けてのもので、3月から正式導入する神奈川県に次いで2例目となる。はたして、この規制緩和はどのような影響を及ぼすのか。

 同法では、これまで原則として認められていなかった家事労働者としての外国人の在留資格が、一定の実務経験などの条件を満たせば、与えられるようになる。働く女性の支援や少子高齢化社会への対応などが主な目的だ。

 すでに、日本では在留資格を持ったフィリピン人による家事代行サービスが評判となっている。フィリピンは国を挙げて世界各国への家政婦派遣を推進しており、規制緩和で新たな労働力が加われば安価で質の高いサービスも期待できる。

 人材派遣業界関係者は「派遣された人間が雇用した会社に無断で派遣先の家庭と契約を結んでしまうケースが多い。新制度を利用して来日する外国人は、派遣会社との契約を終わらせると、在留資格を失いかねない。雇用側にとっては、闇契約されるリスクをある程度回避できる」と語る。労働時間や賃金などを双方の都合の良い条件で成立させるため、会社を通さずに個人と個人で契約を結んでしまうことは往々にしてある。だが、家事労働のために入ってきた人たちは簡単に仕事をやめられないため、派遣会社側も管理しやすいようだ。

 一方で、それが悪用される恐れもある。

「簡単にやめさせられないのをいいことに、悪い労働条件で働かせる派遣会社が出てくる可能性もある。また、労働者が派遣先でセクハラなどのトラブルに遭っても、解雇されるのを恐れて、会社側に届けにくくなることも考えられる」(前出の関係者)

 さらには、悪徳ブローカーの進出も予想されうるという。

「最初から夜の商売をさせるために、家事労働者の名目で日本に連れてくる業者も出てくる。昼は家事代行、夜は水商売をさせれば、二重に儲けることができてしまう」(前同)

 制度が悪用されないよう、厳しい監視の目を光らせてほしいところだ。