返金姿勢あればダマしにならず?「押し花レンタル詐欺」長期化の内情

2016年01月26日 07時00分

 摘発まで時間を要したワケは…。押し花のレンタル事業への投資名目で現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで警視庁に逮捕された都内の押し花教室運営会社「フラワーライフ」社長村田多恵子容疑者(58)ら2人。2012~14年、ヘルパーの女性(68)ら3人から事業への投資として計約9000万円を詐取した疑いが持たれている。

 警視庁生活経済課によると、村田容疑者らは出資者に購入させた押し花や加工花を借り上げて百貨店などにレンタル。レンタル代金の一部を出資者に配当として支払うとうたっていた。事業を始めた07年以降、全国の約2300人から約60億円を集めたとみられる。新聞折り込み広告などで「自宅でできる花の仕事。月5万~25万円ぐらい可能」とうたい、投資を呼び掛けていた。

 押し花広告で60億円とは驚きだ。詐欺の手口を収集し、サイトで公開している「詐欺退治ドットコム」は「習い事としても趣味としても人気の押し花やプリザーブドフラワーは、投資のハードルが低く、小金持ちの奥様が趣味の延長で投資にハマりやすいのです。最初はキチンと配当を出し、カモがカモを誘う状況でした。警察に通う暇のある有閑マダムの被害者が多かったので、民事不介入の警察も動かざるをえなかったようです」と指摘する。

 最初の被害者に配当を出すのは、後から投資した被害者のお金を回しているだけで、「ポンジ・スキーム」と呼ばれる投資詐欺そのものだ。この手口では、配当が出なくなってから、逮捕までには月日がかかる。

「資金繰りが厳しくなって配当できないという表向きの理由をつき通し、逮捕や摘発を回避するには、出資者に対して、分割で少しずつでも被害額を返金する合意契約を締結したり、債務を別会社に譲渡したりする手法があります。配当が出なくなったら、詐欺会社や詐欺容疑者の資産を調べて、差し押さえできるように準備するのも、詐欺被害を最小限に抑える予防策かもしれません」(同)

 わずかな金額でも被害者に返金する姿勢を見せれば、だまし取ったことにならないという。今回、警察の捜査も1年ほど前から入っていたようだ。