【宜野湾市長選】負けたオール沖縄勢の大ミス

2016年01月26日 07時00分

 沖縄県宜野湾市長選の投開票が24日に行われ、現職の佐喜真淳氏(51)が当選した。自公が推薦する佐喜真氏と、翁長雄志沖縄県知事(65)ら“オール沖縄”が支援する新人の志村恵一郎氏(63)が激突。米軍普天間飛行場の辺野古移設だけでなく、夏の参院選を占う戦いと注目されていた。政府は同市にディズニーリゾートを誘致するとアメをちらつかせていたが、決め手は他にもあった。

 安倍政権にとっては負けられない戦いであると同時に、辺野古移設に反対するオール沖縄勢力にとってもやはり踏ん張りどころだった。昨年12月に政府は同市にディズニーリゾートを誘致する計画を口にし始め、佐喜真陣営も選挙公約にしていた。同リゾートを運営するオリエンタルランドが「現時点で対応方針など決定している事実は一切ありません」と否定したように、願望だけが先行していた。

 なりふり構わぬ政府側に対して、志村陣営は大きな失敗を犯していた。選挙期間中、翁長知事が志村氏を連れて歩く様子がニュース番組で報道されたのだが、なんと有権者の自宅に押しかけるという、公職選挙法で禁止されている戸別訪問をやってしまったのだ。番組はNHKのものだといい、瞬く間にネットを通じて拡散され、遠く永田町でも大きな話題になったほど。地元関係者がさっそく同法違反の疑いで沖縄県警に告発状を提出している。

 野党関係者は「選挙期間中に無差別に有権者の家を訪ねる戸別訪問は公選法で禁止されており、警察が摘発した場合はたとえ当選しても無効になってしまう」と解説する。志村氏が落選したからといって終わる話ではない。追及の矛先は翁長氏へ向かいかねない。

 しかし逃げ道はなくはないという。

「支援者を訪ねる個別訪問ならグレーではあるけれどOKになっている。“戸”と“個”で字も意味も違う。だから、どの陣営でもやるのが党員名簿を持っての自宅回りです。党員相手に選挙のお願いではなく、党勢拡大のための活動をしているという言い逃れですね。これならギリギリ大丈夫になるかもしれない」(前出の野党関係者)

 支援者への個別訪問のふりをした無差別の戸別訪問を行う候補者は他の選挙でも多いというが、志村氏の場合、テレビに撮影され、ニュースとして放送されてしまっている。有権者の投票行動にも影響があった可能性は否定できない。

 志村氏を支援した翁長氏の立場も問われる。辺野古の埋め立てをめぐって翁長氏と政府は訴訟ざたにもなった。公選法違反騒動が今後の沖縄を左右するのは避けられない情勢だ。