SMAP解散騒動の裏で政界で起きた「有害図書」めぐる大攻防戦

2016年01月22日 09時00分

全国の条例で有害図書指定された本を前に山田氏は語った

 SMAP解散騒動の裏で、もう一つ若者を震撼させる出来事が政界で起きていた。発端は昨年末に菅義偉官房長官(67)がテレビ番組でした発言だ。

 軽減税率を出版物に適用するかどうかについて、菅氏は「例えばポルノ雑誌とかそういうものの線引きを業界の皆さんで決めていただく。政府がやると表現の自由の問題があるので」と語っていた。

 政府与党はポルノ雑誌などを“有害図書”として除外することができれば、出版物も軽減税率適用可とのメッセージを発していた。一見、納得しそうだが、大きな問題をはらんでいる。

 これまで有害図書といえば18歳未満が見ないようにという文脈で使われていたが、税率の話となると成人も関係する。有害とレッテルを貼られたら、未成年だけでなく成人からも遠ざけられることになる。

 この件について日本を元気にする会の山田太郎参院議員(48)が18日の参院予算委員会で質疑。租税法律主義という民間が勝手に税率を決められないという原則、つまり自主規制はありえないことを指摘。かつ、政府が有害図書を指定することは検閲になるからできないことを安倍晋三首相(61)に認めさせた。

 山田氏は「これで法律上、有害図書指定はできないことになった。SMAP騒動の裏でネット上でものすごく話題になっていました」とひとまず安心する。仮に法律で有害指定ができるようになったら、われわれがそれらの本を手に入れることは困難になっていた。

 大事なのは有害とはいえないのに有害指定されうる点だ。事実、全国の条例で有害図書扱いになっているものの中にはヤンキー向け雑誌など理由のよく分からないものまで含まれている。条例でも大変なのに法律となると影響力は大きい。

「3月に国連勧告が予定されており、漫画やアニメ、ゲーム規制を求められる。対策はしていますが、戦いはまだ続きます」(山田氏)

 自分の読んでいる本がある日突然、理由も分からず有害指定されるなんて恐ろしい。