日韓合意の慰安婦少女像の移設 朴大統領が強権発動しないワケ

2016年01月15日 16時00分

 韓国の朴槿恵大統領(63)は13日、ソウルの大統領府で記者会見し、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる昨年の日韓合意について「(日本との)合意が履行されることで、被害者の名誉と尊厳の回復が図られるようにする」と述べ、国民の理解を求め努力する姿勢を示した。

 合意は「100%満足できないが、最善を尽くした」と強調。軍の関与認定や日本政府の公式謝罪、被害補償の「3つの被害者の願いを忠実に反映した結果だ」と評価した。ソウルの日本大使館前の慰安婦被害を象徴する少女像の撤去を日本が求めていることに関しては「政府がどうこう言える問題ではない」と述べた。

 経済が死に体で平昌五輪の開催さえ危うい今の韓国にとって、最後に頼れるのは日本だけ。日韓関係の修復は急務だ。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「大統領が本気でやると決めたら、かなり強硬なことができるのが韓国という国です。やろうと思えば、像の撤去など、どんな口実をもうけても執行は可能です」と指摘する。

 現に、金泳三政権の時代、「日帝残滓を排除する」という名目で、旧総督府を始め、日本統治時代の建造物をことごとく破壊し、桜並木さえ切り倒した。盧武鉉時代には「親日財産没収法」という“魔女狩り”の法律まで作り、併合時代の対日協力者の子孫から財産を没収した。

 まして、他国の大使館、領事館建物の前にその国を侮辱するような物体を設置すること自体、ウィーン条約違反だ。そして日本政府が慰安婦少女像の移転を譲らないのなら、朴氏が強権発動するだけでいいのだ。

 しかし「いまや反日韓国人にとって慰安婦像は単なる像ではなく、宗教的な呪物と化しており、一種の信仰の対象です」と但馬氏。その慰安婦像の撤去、あるいは移転となれば、韓国の市民団体が黙っていないだろう。

「そこで朴大統領は『像は民間が設置したものだから、韓国政府が移設を強要することはできない』という態度で時間を稼ぐしかないのです。私は早晩、慰安婦像の移設はあると思います。しかし新たなモニュメントの建立は大いにありうるでしょう。それが彼らのやり方なのです」と但馬氏は語る。