金正恩体制を崩壊に追い込みたい中国 しかし北朝鮮から難民殺到の恐れが…

2016年01月13日 07時00分

 北朝鮮の朝鮮中央テレビが9日夜、昨年10月の朝鮮労働党創建70年の記念行事を伝える目的で放映した記録映画に、行事に出席し金正恩第1書記の隣にいた中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員の姿が映っていないことが11日までに分かった。中国は北朝鮮の6日の核実験を非難した。これに対して、北朝鮮は中国への不満を表明するため劉氏が出席しなかったかのように編集作業をしたとみられ、悪化した中朝関係を反映している。

 劉氏は昨年10月9日に平壌を訪問し、正恩氏と会談。翌10日に平壌の金日成広場で行われた軍事パレードを正恩氏の隣で観覧し、2人は手をとりあう場面もあった。記録映画では、観覧中の正恩氏がアップで映し出され、劉氏は画面に入っていない。

 その中国が経済制裁に踏み切るのか注目を集めている。政府関係者は「北朝鮮の貿易の80%は、中国に依存している。中国の貿易会社が北朝鮮との取引を中止すれば、北朝鮮は生活必需品の供給ができなくなり、大打撃を受けることになります」と話す。

 しかし、中国が経済制裁に踏み込んだとしても、好き勝手に核実験を強行する金正恩体制を崩壊に追い込むことは困難だという見方が強い。

 平壌情勢に詳しい関係者は「中国側の本音は正恩氏を退陣に追い込んで親中派をトップに据えたい。だが、本当に金正恩体制を崩壊に追い込んでしまうと、国境を接する北朝鮮から大量の難民が押し寄せてくる可能性が高い。中国にとっては頭の痛い話ですよ」と指摘した。

 3年前、正恩氏は叔父で後見人を務めていた親中派の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長を処刑した。粛清したことを知った中国共産党トップ、習近平国家主席は激怒したと伝えられるが、今回はどんな政治判断を下すのだろうか。