総務省のスマートフォン(スマホ)料金の引き下げ要請に対し、ソフトバンクが新料金プランを発表した。料金が安くなってもヌカ喜びとなりかねない。

 ソフトバンクが4月から追加するのは月のデータ通信量1ギガバイト以下、1回5分以内の国内通話し放題で月額4900円(税別)のプランだ。従来の最低料金はデータ通信量2ギガバイト以下、月6500円のプランで、1600円も安くなることになる。

 スマホは短期で各社を乗り換えするユーザーの方が長期利用者よりも割引の恩恵があるほか、データ使用量が少ない人には割高感がある点などが問題視され、安倍晋三首相(61)が昨年9月に「携帯料金が家計負担を圧迫している」とNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社に新料金プランの導入を要請していた。

 今回、ソフトバンクが応じたことで、他の2社も追随するとみられるが「値段が下がった」と喜々としていられるのは一時的かもしれない。

「受信料の徴収に伸び悩むNHKは放送とネットの融合を掲げ、スマホでの視聴環境を整えています。将来的にはスマホ契約者から受信料を強制徴収できるように政府・与党に法改正を働きかけているんです」(永田町関係者)

 既にNHKはネットでニュース配信、緊急災害時の中継などを行っている。また「テレビ放送のインターネット同時配信の検証実験」と題し、昨年はサッカーの天皇杯やフィギュアのNHK杯などを生中継するアプリを配信するなど、着々とスマホの“テレビ化”を進めている。

「現行のスマホの料金プランにNHKの受信料も加わった場合には高すぎるとなるので、できるだけスマホの料金は安くなった方がいい。政府のスマホ料金引き下げ要請は、NHK受信料徴収を見込んだスマホ料金値上げへの布石なんです」(同関係者)

 おいしい話にはやはり裏があるのか。