これが「マイナンバー詐欺」の手口 狙いは高齢者

2016年01月05日 07時00分

“サイトウさん”に気を付けろ! マイナンバー(社会保障・税番号)制度の運用が、今月から始まった。年末年始に帰った実家で、親から「マイナンバーどうすればいいのか?」と相談を受けた人も多いのではないだろうか。全国で500万通以上が自治体に返送され、運営システムにも不備が判明するなどのっけから大混乱に陥った。そんな間隙を縫うようにマイナンバー詐欺が横行し、従来の「電話型」から「訪問型」へと手口も巧妙化しているから、用心が必要だ。

 国民の一部個人情報を一括管理する名目のマイナンバー制度がいよいよ運用開始となったが、早くもグダグダだ。

 昨年10月からマイナンバーを知らせる「通知カード」が簡易書留で郵送されているが、受取人の不在などで本人の元に届かず、全国で500万通以上が自治体に返送されたことが先月、明らかになった。

 11月中とされた配達完了は間に合わず、今月にずれ込んだ地域もある。郵便局で保管中のものもあり、1週間の保管期間中に再配達依頼や郵便局に受け取りに来ない場合は返送される。まだ受け取っていない人も多く、返送数は今後さらに増える見込みだ。

 そんななか、横行しているのがマイナンバー詐欺。独立行政法人「国民生活センター」によると、“最盛期”は昨年10月で全国で91件の相談が寄せられた。

 狙われているのは主に高齢者だ。たとえば北関東在住の70代女性のところには、同月に消費生活センターを名乗る男性から「あなたのマイナンバー情報が、大手企業3か所に漏れている。取り消してあげます」と不審な電話があったという。

 電話で不安をあおり、金銭を振り込ませる手口は振り込め詐欺と一緒。裏社会に詳しい人物は「つまり同じような連中が高齢者を狙って詐欺を行っているということ。大元はヤクザだろう」と話す。

 最近では関係者を装い自宅を訪れる「訪問型」が増加している。近畿地方に住む70代男性は自宅にスーツ姿の男性が来訪し「明日、マイナンバーの通知カードが届くが、お金を支払わないと通知カードが白紙で届く」と言われたので3万円を支払ってしまったという。

 先月10日には東京・墨田区で学校関係者を名乗る30歳くらいの女性が住民の自宅を訪れ、家族構成やマイナンバーを聞き出そうとする事案があった。女性は胸元に「サイトウ」と書かれたネームプレートを付けていた。

“サイトウさん”の正体は不明だが、服装はグレーのパンツスーツ姿で、一見すれば学校関係者に間違えてもおかしくなかったという。向島警察署は「マイナンバーについては他人には絶対に『見せない』『教えない』、カードはコピーしないこと」と呼びかけている。

 過去にオレオレ詐欺を撃退したという同区在住の男性(81)は「俺はだまされないよ。わかるもん。○○(企業名)に勤める息子が1人いるけど、オレオレ詐欺の時は声が違った。サイトウさん? 知らないけど俺のところには来ないだろうな」と自信満々に語っていたが、用心するに越したことはない。

 国民生活センターの担当者も「(詐欺師は)マイナンバーだけでなく、家族構成や職業などの個人情報を引き出そうとします。うっかり教えてはいけません」と警鐘を鳴らしている。

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