奇跡のテクノロジーで寿命が120歳に?

2016年01月02日 10時00分

 2015年は自然科学分野で日本人のノーベル賞受賞者が2人も出た。大村智・北里大特別栄誉教授が医学生理学賞、梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が物理学賞だ。ノーベル賞は新発見にすぐに与えられる賞ではなく、研究内容が世の中に貢献・浸透した数十年後に与えられるもの。一方、科学界では新しい発見・研究が続々と報告されている。著書「ホントにすごい! 日本の科学技術図鑑」などがあるサイエンスライターの川口友万氏が、2016年に“実現”する、びっくり仰天の奇跡のテクノロジーを大予想した。

 川口氏は「16年、アンチエイジングに革命が起きます。人類の平均寿命は120歳になるでしょう」と指摘する。

 米国の食品医薬品局(FDA)は糖尿病治療薬「メトホルミン」に細胞を強化し、延命させる効果があることを確認、臨床試験をスタートした。

 これまでの抗老化は、テロメアをいかに伸ばすかだった。テロメアという細胞分裂の回数を決める“チケット”があり、チケットを切り終わると細胞の分裂が終了、細胞は老化する。テロメアを伸ばすことさえできれば、細胞の分裂回数も伸び、老化は止まるが、テロメアを伸ばすことは難しい。

「メトホルミンの原理は全く違います。細胞を強くし、分裂までの時間を伸ばします。24回分裂するのに10年かかっているとすれば、それを15年まで伸ばすわけです。なんとメトホルミンを飲んでいた糖尿病患者は、飲まなかった患者より8年も長生きしました。しかも、この薬は1日分がたった8円と非常に安いのです。もし健康な人が早い時期からこの薬を飲めば、120歳も夢ではありません」と川口氏。

 さらにiPS細胞を3Dプリンターで臓器にする研究も大詰めを迎えている。iPS細胞を使って網膜を作り、目の病気の患者に移植する実験も成功。国ではiPS細胞で作った組織や臓器を新たな輸出品目とするべく支援を行っている。「悪くなった部分は替えてしまえばいいんです。病気で死なない、老化で死なない時代がすぐそばまで来ています」

 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンのような空を飛ぶ車も実現するかもしれないという。

 川口氏は「NASAが研究しているEM(エレクトロマグネティック)ドライブは電磁気を使って動く、全く新しいエンジンです。まだ試験段階で、実際に動くかどうかは理論上でしかありませんが、原理上、宇宙船の打ち上げコストを100分の1にし、その速度は月まで4時間、火星まで70日で到着するハイパワーをひねり出します。EMドライブを自動車のタイヤの代わりに付ければ、空飛ぶ車になります」と指摘する。

 なんと人気SF「スター・トレック」のワープ航法が可能になるかもしれない。「NASAがなぜEMドライブの研究をしているかといえば、もしかしたらワープ航法ができるかもしれないからです。EMドライブがなぜ動くのか、まだ解明されていないのですが、NASAの研究者は、ワープ航法の理論であるメキシコの物理学者ミゲル・アルクビエレ氏の提唱したアルクビエレ・ドライブこそEMドライブだと確信しているようです」と川口氏。実際、NASAはワープ航法する宇宙船「IXSエンタープライズ」のイメージ画像を公開したほどだ。
 15年は安保法案で揺れたが、兵隊が戦場で戦う時代は終わりつつあるようだ。

 これからはロボットやサイボーグ兵器の時代になるかもしれない。

 川口氏は「昆虫を兵器化する研究はすでに研究段階から実戦投入に移行しています。カブトムシやゴキブリにICチップを埋め込み、神経を刺激、昆虫をリモコン操作します。昆虫の嗅覚や視覚の情報は人間の作る装置よりもはるかに小型で高性能なので、偵察などに昆虫を使おうというのです。米軍は戦地で荷物を運ばせる4足歩行ロボットを実戦に投入する予定です。戦場でロボット同士や昆虫が戦う時代が幕を開けるのです」と語る。

 SFの出来事と思っていた不老不死やワープが完全に実現するのは先のことかもしれないが、その端緒を16年に見られそうだ。