2020年に東京五輪・パラリンピックが開催されることに合わせ、繁華街の浄化が行われるのではないかと不安視する声が多い。東京だけでなく周辺の県にも浄化作戦の影響が出るとの予想もあり、風俗愛好家らは「あの街は大丈夫か」と心配している。

 国際的大イベントで繁華街は常に摘発の対象とされてきた。1990年の大阪花の万博に合わせて、大阪からソープランドが消えたともいわれている。また、日本全国で試合が開催された02年の日韓W杯でも、繁華街の浄化作戦が行われた。五輪ほどの一大イベントとなればやはり風俗の摘発はないわけがないだろう。

 風俗情報誌「俺の旅」(ミリオン出版)の生駒明編集長は「東京に限らず、関東圏の繁華街に五輪開催の影響が出るでしょう」と予測する。関東地方には多くの繁華街、風俗街がある。風俗愛好家の間では、特に外国人観光客も多く訪れる北関東のある街に注目が集まっている。「その街のデリヘルでは過激サービスが受けられます。かつての西川口のNK流を思い起こさせます」(某風俗愛好家)

 街の名前を取って○○式ということもあるという。生駒氏は「業界では有名ですね。NK流が壊滅したから、風俗嬢がその街に集まったというわけではないんです。もうずっとそういうものだった。東京と仙台という都会に挟まれて、独特の風俗文化が発展していったのでしょう。もちろんすべての店でサービスがあるわけではありません」と解説する。知る人ぞ知るこの街にも五輪の影響がありそうだ。

「ここにはソープも店舗型ヘルスもある。どの街でもそうですが、浄化作戦というのは、店の看板がダメだというように繁華街の見た目をきれいにしようということが重要視されます。一方、デリヘルは表に店を出しているわけではないので無事でしょう。ただ、五輪とは関係なく摘発されることもあるので注意が必要です」(生駒氏)

 近年、風俗業界では大手グループが地方に進出するケースが相次いでいる。風俗嬢も東京より地方が稼げると、稼ぎに出るケースも多い。五輪もいいが、過剰な取り締まりは誰も望んでいない。