橋下徹大阪市長(46)が18日、任期満了を迎え、大阪市役所内で退任会見を行った。

 橋下氏は2008年に大阪府知事に当選。任期を残して、11年に大阪市長に転身し、国政政党代表も兼務するなど自治体首長としては異色の存在で、その言動は全国的な注目を集めてきた。この日で政界を引退し、「おおさか維新の会」の法律顧問に就く。

 退任記者会見の冒頭で橋下氏は「文句を言いたい」と得意のメディア批判を展開。その後は「これ以上やれと言っても無理。やり切った」と8年間の政治家生活を振り返った。とかく政治家には甘い蜜があると言われるが「あるなら教えてくださいよ。味はない。しんどいことばかり」と苦笑した。

 また、政治家転身に大きな影響を与え、昨年1月に亡くなった歌手でタレントのやしきたかじんさん(享年64)の夢だった「大阪・中之島にコンサートホールを作る」ことは任期中にかなえられなかった。

「検討はしていたんですけどね、ポンと行政が一つ建てるというやり方ではない形で吉村(洋文)新市長が考えてくれると思う」と後継指名した吉村氏に期待を寄せた。

 たかじんさん同様、橋下氏の政界進出へ大きな役割を担った元タレントの島田紳助氏については「キチッと連絡はさせてもらう」と話した。

 政界引退後については仰天プランもブチ上げた。

「これで明日から私人。1人でコンビニに行くっていうのが第1目標。1人コンビニをツイッターで報告しますよ。朝になったら公園を回ろうかな」と橋下氏は公人時代にためていたウップンを晴らしていくという。

 市役所前で行われた退任セレモニーでは市民500人と市職員300人が集合。秘書課の女性職員から花束を渡された橋下氏は集まった市民らに握手で応じ、車に乗り込んだ後も手を振り続けた。「橋下」コールが響く中、橋下劇場に幕が下ろされた。