天気がおかしい。全国で大雨&強風被害が続出したかと思えば、冬だというのに20度を超える暑さに…。一体何が起きているのか?


 兵庫県神戸市で開催中の「神戸ルミナリエ」の会場では11日午前5時半ごろ、高さ約9メートルの電飾が強風にあおられ倒壊。けが人はなかったが、日中に起きていたら大惨事になっていた可能性もある。


 同市灘区で建設中のJR東海道線(神戸線)の新駅「摩耶駅」では同日午後1時ごろ、工事用の足場が崩れ、付近を走行中の電車2本が緊急停車。約1400人が電車内に取り残され、6人が救急搬送された。神戸市内ではその時間帯に最大瞬間風速21・8メートルを観測していた。


 首都圏でも関東4県約9700世帯で停電が発生。東京・羽田空港では午前10時前に最大瞬間風速26・7メートルを記録した。48時間雨量は太平洋側を中心に200ミリを超え、神奈川県には5年ぶりに12月に大雨警報が発表された。


 その後天候が回復すると、今度は夏のような暑さに。三重県尾鷲市では12月の気温としては過去最高の25・6度の夏日になったほか、東京都心でも24・1度を記録した。


 この日は西太平洋のカロリン諸島付近で台風27号が発生した。19か月連続の台風発生は1964~65年に並ぶタイ記録。今回の嵐もまさに“冬台風”と言っていい現象だが、今後はこれが当たり前になるかもしれない。


 このほど海洋研究開発機構が運用するスーパーコンピューター「地球シミュレータ」が今世紀末の気象を予測。温暖化対策を施さない場合「平均気温は4度上昇」し、その結果「30年に1度程度の大雨」に当たる1日の雨量は、東京で「現在の255ミリから310ミリ前後」となり、発生頻度は「最大5倍」になるという。


 世界で発生する台風の数は30%減るが、猛烈な台風は増え、日本に接近する確率は現在の10倍に。発生場所も北東に移動するため、近畿や東海、関東に勢力を落とさずに“上陸”。東京湾や大阪湾では、堤防を乗り越え、市街地に大量流入する高潮が発生する危険が高いという。恐ろしい話だ…。