在沖縄米海兵隊は飛行中の米軍機へのレーザー照射に対し「搭乗者が瞬間的に視野狭窄となり、特に夜間用の暗視装置を利用中だと見えなくなる。墜落などの重大事故につながりかねない」と危険性を訴えていた。

 レーザー光らしき光線といえば、野球やサッカーの国際試合で観客席から投手やPKキッカーの目に対し、照射される嫌がらせがたびたび問題になる。

 軍事評論家の神浦元彰氏は「スポーツの試合でイタズラされるのは、どこにでも売っているペン型で出力が弱いタイプ。一瞬目がまぶしくなる程度だが、今回は恐らく海外の通販等で手に入る強力な懐中電灯型や据え置きタイプではないか。ペン型の100倍以上は出力があり、目に直接当たったら網膜が焼け、失明するほど威力の強い物もある」と指摘する。

 米兵は夜間の飛行訓練では、暗闇でも視界が確保できるナイトスコープを装着している。

「光を増幅させるので、レーザー照射されれば、視界は真っ白になる。着陸や離陸などの低空飛行時に突然、光を当てられたら非常に危険で、米軍は決して大げさに言っているわけではない」(神浦氏)

 確率は低いものの墜落事故が起きてもおかしくない事態だったという。

 沖縄だけに限らず、神奈川・厚木基地周辺でも米軍機や自衛隊機がレーザー照射される被害が報告されている。

「以前、沖縄で基地反対派がたこ揚げ大会や風船を上げるというイベントを行った。これらも危険だが、レーザー照射も含めて、警察は取り締まる法律がなかった。被害が拡大しているので、今回は一罰百戒の意味も込めて、多少強引ではあるが、威力業務妨害で逮捕したのでしょう」と神浦氏は指摘する。