2月に交際相手の平田勇二さん(48=当時)の頭部を金属バットでめった打ちにし、首や胸部を牛刀で何度も刺して失血死させた殺人罪に問われた元ホステス菊池あずは被告(29)の裁判員裁判の論告求刑公判(東京地裁、石井俊和裁判長)で3日、菊池被告に懲役18年が求刑された。

 検察は論告で「牛刀や金属バットなど殺傷能力の高い凶器を準備するなど計画的で、就寝中の平田さんを命乞いにもかかわらず複数箇所、致命傷を与えた危険で残酷な犯行だった。男女関係が悪化し交際や同居の解消を求めるのはよくあることで、平田さんに落ち度はないのに制裁を加えようとした身勝手な犯行。殺害に至る意思決定に被告の、広汎性発達障害や軽度の知的障害も影響していない」と述べた。

 求刑の瞬間、菊池被告は口をポカンと開けたままでまぶたをけいれんさせ、白目をむくなどしていた。

 弁護側は「コミュニケーション能力が乏しく、話し合いで男女問題を解決することができず、また強い執着を抱く性質でいったん決めたこと(殺害計画)を引き返すことができなかった。殺意を抱く過程で障害が影響したといえる。法廷で十分に話すことができなかったが、表面的に反省していないと判断しないでほしい」と訴え、「懲役10年が妥当」と意見を述べた。

 最後に発言の機会が用意された菊池被告だが「本当に申し訳ごごご…ざいません」と答えるのが精一杯。このような人物がどうして接客のプロであるホステスをこなしたのだろうか。

 菊池被告を知る人は「会話能力がないのでホステスとしての売り上げはさほどでもないが、カネ回りの良さそうな男にしなだれかかっては、すぐヤレる雰囲気を出して枕営業で客をつなぎとめていた。実際、クラブの客に性病をうつされたと言って示談金100万円を搾り取ったり“レイプされた”男に復讐するとわめいたり男絡みのトラブルが尽きず、すぐヤバイ女だと分かった」と明かす。

 なお判決は4日に言い渡される。