【植木鉢バリケード】近隣住民の終わらぬ恐怖

2015年11月26日 06時30分

 とんだご近所トラブルだ。自宅前の私道に1年以上、植木鉢などを並べ、周辺住民の通行を妨げたとして、大阪府警西堺署は24日、往来妨害の疑いで、堺市の無職平野保生容疑者(77)と妻美知子容疑者(77)を逮捕した。賃貸ですぐに引っ越しできる状況でもなければ、迷惑な隣人からはなかなか逃げられない。逮捕されても微罪ですぐに戻ってくる。相隣問題は深刻だ。

 同暑によると、2人は昨年9月以降、多数の植木鉢やコンクリートブロックなどを堺市西区にある自宅前の幅2・5メートルの私道に置いて通行を妨害した疑い。植木鉢の数は70個以上で、草木が高さ160センチを超すものも多数あり、まさにバリケード状態だった。

 歩行者は植木鉢の隙間の狭いスペースを横向きのカニ歩きをしなければ通れなくなっていた。夫の保生容疑者は「私の土地なので往来妨害には当たらない」と容疑を否認しているという。

 自宅の敷地に隣接している私道の場合、所有者が道路に私物を置くなどのトラブルが発生するケースはある。西堺署関係者は「植木鉢が置かれた場所は容疑者夫婦の私有地ではなく、名義上は(2人を含めて)近隣の人たち9人共同で所有していた場所だった。私道ではあったが、役所も一般道路とみなす近隣住民の生活道路だったので、通行を妨げる往来妨害罪が成立し、逮捕に至った」と話す。

 この夫婦が逮捕されるのは今回が2度目。「自宅前に犬のフンを放置する者がいる」と、2003年にこの私道に金網フェンスを張り、05年に往来妨害容疑で逮捕されていた。

 保生容疑者宅の近隣では、住民との衝突が頻繁に発生していた。

「1度目の逮捕後はしばらくおとなしくしていたが、2年前くらいから少しずつ大きな植木鉢を置き始め、最終的に壁状態になっていた。自宅前の隙間を横歩きで通っているところを見られようものなら、外に出てきて『俺の敷地内を勝手に通るな!』とすごい剣幕で怒鳴ってくる。奥さんもそんな夫を止めずに『お父さん(保生容疑者)の土地なんや』とあおっていた」(近隣住民)

 別の住民は「植木鉢の件で自宅に直談判に行っても、大声で追い返されるばかり。(保生容疑者に)夜中に家に怒鳴り込まれたり、包丁を持ち出して追いかけられた人もいた」と話す。現在は「あそこが封鎖されているせいで大回りして通らなければならず、バイク便や新聞配達の人たちも面倒でとても迷惑していた。倍くらいの距離はあったので、とてもうれしい」と近隣住民は安堵している。ただ、いずれ容疑者夫妻は戻って来る。近隣住民がお手上げ状態だった事態が改善されない限り、逮捕はつかの間の安堵に終わりかねない。