警視庁池袋署は18日、エステ会社から現金を脅し取ろうとした恐喝未遂容疑で自称ジャーナリストの舛森公明容疑者(66)を逮捕した。同容疑者は「九州ジャーナル」というネット新聞を運営しており、松山慎一郎の名前で記事を書いていた。

 舛森容疑者は昨年5月、東京にある大手エステ会社に対し「エステで脱毛するのは法律違反だ。ネットで記事にする」などと電話し、掲載後の記事削除を条件に「金額はご一任します」と現金を脅し取ろうとした疑い。取り調べに「電話したことは覚えていますが、1年以上前のことなので覚えていません」と容疑を否認している。

 スキャンダルをネタに相手から金銭を取ろうとする報道はブラックジャーナリズムといわれる。舛森容疑者の「九州ジャーナル」もその1つといえる。同容疑者は熊本を拠点に活動していたようだ。九州の政界関係者は「熊本では少し知られている。地元の政治家や企業を追及する記事が多かった。彼は政治家の事務所を訪ねることもあったが、みんな関わりたくないから相手にしていなかった」と語る。

 ブラックジャーナリズムはどの地方にもあり、関係者の頭を悩ませていた。議員秘書は「時折、記者が企業や政治家事務所を回って名刺広告を募りに来るんですよ。1万円くらいだったかな。断ると何を書かれるかわからないので出していた」と振り返る。広告を出せば良く書かれ、断ると「アイツは地元の意見を聞かない」など小さいことでもさも重大なことかのように書かれてしまうという。

「でも最近はほとんどなくなった。昔はいっぱいあったんですけど」(前出秘書)。だんだんと広告が集まらなくなり、恐喝するほど追い込まれていたのか。