“家族会議”の修羅場が再現された。
大塚家具の創業者・大塚勝久氏(72)が、長女・久美子社長(47)の力が強く働いているといわれる一族の資産管理会社「ききょう企画」に、社債返還を求めた民事裁判の口頭弁論が19日、東京地裁で開かれ、勝久氏の妻・千代子氏が証人出廷した。
一連のお家騒動では勝久氏と千代子氏、長男の勝之氏VS久美子社長、次男の雅之氏という構図が鮮明に。千代子氏は昨年1月にききょう企画の監査役を解任されている。
この日の争点は社債の償還期限。勝久氏がききょう企画に譲渡した社債は約15億円で、即時返済を求めているのに対し、久美子氏側は5年間の償還延長がすでに成立しているという主張だ。
そんななか、千代子氏は食い違いの発端となった2013年2月の取締役会の内容を証言。場所は勝久氏の自宅。ききょう企画の経営にタッチしていない勝久氏はいつも取締役会が行われる部屋から“強制退去”させられ、別の部屋で「寂しそうにしていた」そうだが、この日は勝久氏も関わるテーマだけに参加を許可された。その様子を見た千代子氏は「すごくうれしかった」と話したが…。
結局この会議では償還金返済の合意はなされず、後日代案を持ち寄ることに。しかし実際には代案は作られず、知らぬ間に償還期限が5年間延長されていたという。
そのため7月に再度集合をかけ、千代子氏が話を切り出したところ、次男の雅之氏が「まだそんなこと言ってんのか!」と激高。話し合いを早々に切り上げ、久美子氏とともに家を出たという。
慌てた千代子氏ははだしのまま外に出て、行方を追ったが、2人を乗せた車は急発進し、千代子氏の横を猛スピードで走り去っていったという。
「危ない。あの時転んでいたらひき殺されていたと思う」(千代子氏)
以来、久美子氏たちとは断絶状態に陥った。千代子氏は「私はただ、家族が一緒に集まりたいだけなんです。いくら家族でも(お金のことは)きちんとやらないといけないと思った」と何度も声を震わせた。次回弁論は12月21日に開かれる。
大塚家具「お家騒動」の発端とは
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