安倍晋三首相(61)も出席する平成27年度自衛隊観艦式が神奈川県沖の相模湾で18日に行われるが、その一般公募チケットがプラチナ化している。

 観艦式は部隊の士気を高め、国内外に自衛隊の精強さをアピールするため、3年に一度開催される。12日にはリハーサルを兼ねた事前公開イベントが行われ、約1万人のファンや招待者が乗艦し、艦船によるパレードや航空機の実演を見学。今年は海自の艦艇36隻、航空機21機、陸自のヘリ4機、航自の航空機12機に加え、18日の本番には米国、フランス、インド、オーストラリア、韓国の艦船も参加する。

 災害派遣での活躍ぶりから、自衛隊に好感を持つ人が増えるなか、関連イベントの人気も急上昇中だ。毎年夏の「富士総合火力演習」は戦車による砲撃などが見られるとあって、一般公募の観覧枠が毎年20倍以上の倍率になっている。

 観艦式の人気も過熱している。今年は12日と15日の事前公開と18日の本番の3回、一般の人が観覧できる機会があり、1万人の枠に16万通もの応募があった。12日は艦船の縦列航行、護衛艦「しまかぜ」の祝砲やP―1哨戒機のフレアー発射、さらにブルーインパルス6機による飛行展示などが繰り広げられ、当選者と招待客ら1万人が自衛艦の上から観覧した。

 一方、防衛省が頭を悩ませる事態も発生している。招待客用の乗艦券がオークションサイトに出品され、軒並み高値をつけているのだ。18日のペア乗艦券13万3000円を筆頭に10万円台、9万円台、8万円台。本来は無料のものだ。

 防衛省の広報担当者は「その事実は私たちも認識しており、胸を痛めております。オークションサイトで見つけるたびに違反として削除要請をしていますし、サイト運営会社に直接電話し、招待券が出品されても削除してくれるようお願いしました。先日、削除したとの報告も受けましたが、イタチごっこになってなかなか追いつかない」。

 防衛省は思わぬ“敵”に悩まされている。