東京・福生市にある米軍横田基地の軍人の住所を使って大麻を密輸したとして、警視庁組織対策5課は9日までに、大麻取締法違反(輸入)の容疑で、小平市の派遣社員内藤久美子(44)と、セントビンセント・グレナディーン国籍で無職のバランタイン・ケノール・ローレンスオーランド(40)の両容疑者を再逮捕した。

 容疑は8月下旬から9月上旬、カナダから乾燥大麻1・7キロ(末端価格約850万円)が入った荷物を、内藤容疑者の知人である横田基地の軍人に非公用軍事郵便で送った疑い。東京税関が発見し、警視庁が2人を逮捕した。

 軍人は、中身を知らされずに受け取りを依頼されていた。内藤容疑者は「ケノール容疑者が荷物を送りたいので、軍人を紹介してほしいと頼まれた。中身は知らなかった」としている。

 内藤容疑者が9月17日、西武鉄道の小平駅で、ケノール容疑者に届いた荷物を手渡したとして、2人は麻薬特例法違反容疑で現行犯逮捕されていた。

 米事情通は「ケノール容疑者は恐らくネットの都市伝説にあるように『横田基地はカリフォルニア州だから治外法権』と勘違いしたのでしょう。年に1度、横田基地が開放され、友好祭が行われますが、日本人が入るのにパスポートはいりません。あくまで福生市の土地を米政府に貸しているというだけなので、大使館のような治外法権はありません」と指摘する。

 もしカリフォルニア州だとしても、州法で大麻は違法だ。

「郵便物は特別で、アメリカから横田基地への郵便物は『カリフォルニア州』で届くようになっています。軍人と家族や親戚のやりとりを簡単にするためのようです。しかし日本を含めアメリカ以外の海外から横田基地への郵便物はあくまで『福生市』。カナダからでは結局、東京税関を通るので、怪しい郵便は検査されます」と同事情通。ノーチェックのハズはなかった。