自民党の萩生田光一政調会長(58)と生稲晃子参院議員(54)が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設への訪問を認めたことで、党内では両氏の「過去」と「因縁」が話題を集めている。

 生稲氏の参院選出馬を機に、萩生田氏は都連会長として選挙戦をサポートした。だが、党内では15年前の同党機関紙「自由民主」で、両氏が〝子育て〟をテーマに対談した時から、その関係は注目されていたという。

「当時、萩生田氏は亡くなった安倍晋三元首相と近い関係であり、安倍派(清和会)のホープでした。生稲氏は対談後、安倍内閣の『働き方改革実現会議』で委員を務めたました。政界進出に野心があれば、萩生田氏が安倍氏にプッシュすると見られていましたよ」(自民党関係者)

 先の参院選で生稲氏の立候補は「中川雅治氏の後継者」と指摘された。自民党東京都連会長の萩生田氏は、生稲氏を参院選東京選挙区の目玉候補として旧統一教会関連施設に連れて行くなどの支援をした背景に「ある野望が隠されていた」と言われている。

 自民党議員は「参院選前、われわれが一番に気にしていたのが、小池百合子都知事が参院選に出馬して国政復帰するのではないか、と永田町で広まったことです。小池氏が選挙に出ていれば、間違いなくトップ当選ができたはず」と話し、内情をこう明かした。

「小池氏が当選すれば、都知事ポストがなくなります。都知事選挙になりますよね。萩生田氏はそうなった場合、都連会長として同じ安倍派の丸川珠代氏を担ぎたかったと言われていました。丸川氏に代わる知名度ある存在は生稲氏となり、自分に近い存在にしたかったんでしょう」

 萩生田氏(八王子市)、生稲氏(小金井市)は、ともに東京都三多摩地区の出身だ。

 自民党都連関係者は「参院選前、都連組織票は生稲氏に入れるはずだった。しかし、結果は朝日健太郎氏がトップ当選。萩生田氏の都連会長としての影響力は、それほどでもなかったということでしょう」と語った。