世間を震え上がらせた、小田急線車内で乗客10人が男に刃物で刺されるという痛ましい事件が発生してから1年が過ぎた。国は対策として電車内の防犯カメラの設置義務化を検討しているが、まだ実現には至っていない。そんな中で最近、電車内でとんでもない犯行が起きているという。

 昨年8月6日に小田急線で起きた事件の影響で、同年10月には京王線でも男が乗客を刃物で切り付け、放火する事件も起きた。これを受けて、電車内で事件が起きた時のための対策が検討されていた。

 そんな電車内の犯罪で最近、意外な犯行が目撃されているという。どういうものなのか?

 目撃者は「この夏の話です。終電近くの電車でほとんど人が乗っていない車内に泥酔した若い女性が座席に座っていたのです。そこに隣の車両から男が近づいてきました」と振り返った。

 男は女性の肩を揺すった後、犯行に及んだ。

「女性はうつむいていたのですが、男が器用に指を女性のマスクのヒモに絡ませて、実に鮮やかにマスクを外したんです。そのままマスクを持ち去り、隣の車両に戻っていきました」

 ちなみにそれは、黒いマスクだったという。

 マスク泥棒というわけだが、痴漢事情に詳しい関係者は「痴漢なら防犯カメラがあれば対策になりますが、マスクの場合は盗んでも被害者が警察に届け出ることもないのでしょう。犯行前に揺すって起きないか確認している点に常習性を感じます」と指摘した。

 コロナ禍においてマスク着用は当たり前になったが、「顔パンツ」と下着のような感覚になっている人もいるという。本当の下着とは違うものの、盗まれて気分のいいものではない。泥酔して電車に乗るのは、気を付けた方が良さそうだ。