安倍晋三元首相が参院選中に銃撃され死亡した事件をきっかけに、世の中の注目は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に集まっている。最近では、自民党の細田博之衆院議長が、過去に友好団体が主催した会合に出席していたことが判明。旧統一教会関係の相談を受け付けていたことがある法律関係者は「政治家がこんなにつながりを持っていることに驚いている」とあきれ返っていた――。

 日本テレビ系の報道番組「真相報道バンキシャ!」では24日の放送で、細田氏が2019年に旧統一教会の友好団体の会合に出席していた映像を流した。この映像では、旧統一教会の韓鶴子総裁のあいさつがあり、さらに細田氏もあいさつを行っていたのだ。「今日の会の内容を安倍総理に早速ご報告したいと考えております」などと話している場面も放送された。

 この件は「しんぶん赤旗電子版」でも報道されており、ネットでも話題になった。「ズブズブ」「これマズいでしょ」「恥を知れ」などといった書き込みが見られるなど、衝撃が広がっている。

 一方、安倍氏を銃撃して殺害したとして、殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者(41)は、母親が旧統一教会に多額の寄付をして家庭が崩壊したことで、教会に恨みを募らせていたという。安倍氏が関連団体にビデオメッセージを寄せていたことを知り、安倍氏にも恨みの矛先を向けたと指摘されている。

 この事件をきっかけにして旧統一教会の問題がニュースになっているが、日本では1980年代から霊感商法や合同結婚式が問題視されていたことを覚えている人も多いだろう。

 過去に旧統一教会に関連する相談の対応をしていた法律業界関係者は「90年代後半にそうした仕事をしていましたが、寄付をめぐる相談が多かったです。山上容疑者の母親みたいな話もあって、『妻が入信しちゃって生活費を寄付しはじめたのですが、どうすればいいですか』とか。自分のおカネだけじゃなく、家族のおカネにも手を付けてトラブルになるケースがよくありました」と振り返った。

 一時は旧統一教会に関するたくさんのニュースが報じられただけに、いまだにつながりがある政治家たちの“うかつさ”が信じられないという。

「あれだけ世間的にネガティブな話題になったことを政治家が知らないわけないですよね。会合であいさつしていたとか理解ができない。知っててつながりを持っているのなら、苦しんだ人たちをバカにしていますよ」(同関係者)

 もちろん山上容疑者がやったことは許されることではないが、反社会的だとの指摘もある旧統一教会とつながりを持つことは、政治家として適切なのか? いま一度、考える必要がありそうだ。