参院選で国政政党となった参政党が15日、記者会見を開き、東京選挙区から立候補するも落選した河西泉緒氏(41)の発言を巡って、「夜回り先生」で知られる元高校教諭で教育評論家の水谷修氏(66)から訴訟提起を予告されている問題で、釈明した。

 会見した河西氏は「(発言の)一部を切り取られて、このようになった。いろいろな方に迷惑をかけて申し訳ありません」と謝罪した。問題となっているのは、参院選公示前日の6月21日に都内で行われた街頭演説会で河西氏の発言だ。

 2004年に神奈川の鎌倉駅で1週間、ホームレスをしていた際を振り返り、「夜回り先生っていうのがいて、有名な。『危ないよ、若い子が』」と自宅で保護されるかと思いきや、砂浜で襲われかかったという。その後、警察に引き渡し、「逮捕されちゃったんですね。あと2か月で退職金3000万円かな、もらえるのに。私が人の人生を巻き込んでしまった」などと発言していた。

 河西氏は水谷氏の名前を出していないものの、これがネット上で切り取られ、夜回り先生=水谷氏と拡散。水谷氏は「週刊文春」の取材に名誉毀損で提訴することを明かし、ブログでも13日、「当然、そのような事実はありません。現在、正式に告訴する準備に入っています」と記している。

 河西氏によれば、「夜回り先生」というワードは知っていたものの、水谷氏のことは知らなかったという。実際、この時逮捕された定時制高校の男も「夜回り先生」を自称していたという。

 この日、参政党の副代表に就任した神谷宗幣氏(44)は河西氏が街頭演説で発言した際、横にいたとあって、「『夜回り先生』という単語を使って、一瞬、(水谷氏を)思い浮かべたが、全然違うことを言っているのがわかった。打ち消すことはしなかったが、どうも当該動画を切り取って、水谷さんだということを流した方がいる」と説明。水谷氏とは面識があり、提訴するとの報道に接し、すぐさま連絡し、「誤解です」と説明したものの取りつくシマはなかったという。

 神谷氏は「意図的に(水谷氏を)陥れる目的でやったわけではない。社会的な活動をされている方なので、ご迷惑及んだとすれば誤解を招きかねない発言をしたということでおわびしたい。特定の個人を傷つける意味ではない」と謝罪した。